食品物流センターとは|食品物流で欠かせない4つの管理

食品物流センターとは|食品物流で欠かせない4つの管理

投稿日:2025.06.20  お役立ち情報

備蓄米に関するニュースが盛んに報道されている中、食品物流に対する注目度が高くなっています。米の流通に関しては、6月始め頃より大手スーパーやコンビニの店頭に並び始めたとされていますが、それ以前は米が全国的に行きわたらない要因の一つとして「物流が止まっているから」という報道がなされることも多かったように思えます。

食品物流に関しては、人が口にするものを取り扱うという点において、一般の荷物を扱う物流業界とは少し違った面があります。そこで当記事では、食品物流の拠点となる食品物流センターの役割と、食品物流ならではの「管理」について解説します。

食品物流センターとは?

そもそも物流とは、商品が生産者から消費者の手元に届くまでの一連の流れを指します。工場などで製造された製品は、一時的に倉庫などに保管され、購入者が決まり次第、配送されるという流れが一般的です。

この一連の工程の中で、入庫から保管、流通加工、出庫までを担う施設が「物流センター」です。従来の倉庫は「商品を保管する場所」という役割が中心でしたが、EC市場の拡大や消費者ニーズの多様化に伴い、在庫管理や流通加工、発送業務など、複雑な作業を一手に引き受ける物流センターが増えています。

食品物流センターは、物流センターの中でも食品を専門に取り扱う施設です。入荷から保管、流通加工、出荷までの一連の業務を行う点は一般的な物流センターと同様ですが、食品の特性上、鮮度を維持するための温度・衛生管理がより厳しく求められます。

倉庫と物流センターの違いについては、商品の保管をメインとしていて、入庫時と出庫時の荷姿がほとんど変わらない(流通加工業務をしない)という場合、物流センターと区別して倉庫と呼ばれます。

物流センターが担う役割

食品物流センターを含む物流センターでは、以下のような業務が行われます。

  • 入庫・検品
    入庫業務は、工場などから届いた商品を荷受けする作業です。入庫時には、届いた商品に誤りや故障、欠品などがないか、数量が間違っていないか検品作業が行われます。また、この際には、商品管理のためのラベルを貼付したり、商品の積み替えなど、付帯作業が発生することもあります。
  • 保管
    入庫した商品を出荷まで保管します。商品の劣化を防止するため、取り扱う商品に合わせた環境を整えます。例えば、食品物流センターの場合、温・湿度管理が求められます。
  • ピッキング
    出荷オーダーがあった時、出荷指示書に従って、保管していた商品を取り出す作業です。ピッキング方式は、施設によって最適な方式が選ばれています。
  • 流通加工
    必要に応じて、商品のカット、小分け、袋詰めなどの加工業務を行います。
  • 検品(出荷前)
    出荷前に、注文内容とピッキングされた商品が合致しているのかを確認します。
  • 包装・梱包
    ピッキングされた商品を送り先ごとに仕分け、輸送の過程で商品が傷つかないように必要に応じて緩衝材などを使用しながら梱包します。
  • 出庫・出荷
    検品、梱包した商品は集荷日、地域、運送会社ごとに仕分けし、出荷します。

上記の通り、物流センターは、単に商品を保管するだけでなく、物流に係わるさまざまな業務を担っています。

食品物流で欠かせない4つの管理

それでは次に、食品物流ならではの管理について解説します。

食品は人の口に入るもの。だからこそ、他の業界よりも厳しい管理体制が求められます。ここでは、食品物流に欠かせない4つの管理項目を紹介します。

①温度管理

食品の品質保持には、温度帯の徹底管理が必要です。

  • 常温(ドライ)
  • 冷蔵(チルド)
  • 冷凍(フローズン)

特に冷凍食品は、温度が適切でないと品質が大きく損なわれるため、保管・輸送ともに厳格な温度管理が行われます。さらに、冷蔵・冷凍の管理温度についてはさらに細かく区分されています。

詳しくは「3温度帯とは?食品物流における課題や倉庫建設のポイント」もご覧ください。

②日付管理

食品には賞味期限・消費期限があるため、日付の徹底管理が必須です。

  • 食品ロスの削減
  • 顧客からの信頼維持
  • 食品事故の防止
  • 「3分の1ルール」対応

また、昨今では、食品ロス削減の観点からも日付管理が重要視されるようになっています。日付管理を徹底し、期限が近づいている物から消費できるような体制を作れば、期限切れによる廃棄を減らすことができます。

③時間管理

食品は「鮮度」が命です。製造から販売までのリードタイムをできる限り短くする努力が必要です。

  • 店舗の販売ピーク時間に合わせた納品
  • 指定時間帯のみ納品可能な取引先への対応

こうした条件を満たすために、食品物流では時間管理が極めて重要です。

また、人件費削減の観点などから、決まった時間にしか納品が許されないケースがあるなど、食品物流は時間管理が非常に重要になります。

④コスト管理

コスト管理については、食品以外の一般物流の業界でも当然行われています。しかし、食品は単価が低く、物流費の制約が厳しいという特徴があります。

  • 少量多頻度配送の対応
  • ピンポイント納品
  • 限られた物流費での効率化

限られた物流費の中で顧客のニーズに応えるためには、コストを抑えながら的確な輸送手段の提供や取扱製品の特性に合わせた物流提案などが求められるため、コスト管理が非常に重要です。

まとめ

今回は、食品物流センターの基礎知識と、食品物流ならではの管理について解説しました。スーパーやコンビニなどで簡単に手に入る食品は、一般の物流業界にはない厳しい管理のもと、私たちの手元へ届けられています。食品物流センターは、食品物流の根幹を支える非常に重要な役割を担っており、今後もその存在感は増していくと予想されています。

特に、温度・日付・時間・コストといった4つの要素をいかに適切に管理できるかが、食品物流のクオリティを左右します。

今後、人手不足や需要の変化に対応するため、自動化・省人化の導入が進むことが予想されます。食品物流センターの建設や増築をご検討の方は、物流・温度管理にも精通し、食品物流センターの設計・施工実績豊富な【Risoko】にご相談ください。

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