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倉庫作業の人手不足が深刻化?人手不足解消のための対策とは?

倉庫作業の人手不足が深刻化?人手不足解消のための対策とは?

投稿日:2021.10.15 
更新日:2021.12.08 
お役立ち情報

少子高齢化が進む日本では、さまざまな業界で人手不足が深刻化しています。その中でも、昨今の倉庫業務の現場では、EC市場の拡大に伴う配送需要の増加と人手不足の両方が発生しており、その人手不足が原因で企業が倒産に追い込まれてしまうというような現象まで発生しています。

どの業界でも、人手不足の解消が喫緊の課題となっていますが、物流業界ではどのような方法で人手不足を解消していけば良いのでしょうか?この記事では、倉庫の人手が不足してしまっている原因と、それを解消するための対策についてご紹介します。

倉庫の人手不足の現状

それではまず、倉庫での人手不足がなぜ起こっているのかについて考えてみましょう。少子高齢化が進む日本では、さまざまな業界で人手不足が深刻化していると言われているのですが、倉庫業務の現場では「人材を確保できない」という問題だけでなく、配送需要の急増が、さらなる人手不足を促進しているという状況になっています。

ここではまず、なぜ需要は増加しているのか、また人材を確保しにくくなっているのかという、物流業界の現状について掘り下げてみたいと思います。

EC市場の拡大と貨物の多品種小ロット化

EC市場は、現在でも拡大を続けており、物流および倉庫業の役割はますます増しています。

例えば、大手ECサイトの送料無料合戦を支えるために、配送料金の値下げに応じたり、当日配達に時間指定など、配送サービス自体の多様化に対応するなど、EC市場の拡大を物流・倉庫業者が下支えしているという状況になっています。さらに、顧客の消費行動の多様化で、貨物は多品種小ロット化が進んでおり、倉庫業の業務量は飛躍的に増加して、現場の負担が大きくなっています。

新型コロナウイルスによる巣ごもり需要の増大

2020年以降は、新型コロナウイルスによる影響が倉庫業に非常に大きな影を落としていると言われています。
皆さんも記憶に新しい緊急事態宣言では、巣ごもり需要が一気の増大しました。しかしその一方で、倉庫で働く人材に関しては、感染拡大防止の観点から、作業員を削減して稼働しなければならないなど、労働力不足に陥りました。倉庫業にとっては、新型コロナウイルスによって、需要の増加はあったものの、人材の供給は減少するという、ダブルパンチのような状態で、人手不足がさらに深刻化したというイメージです。

少子高齢化による労働力不足

倉庫業は、その業務の性質から、他の業界以上に少子高齢化のあおりを受けていると考えられます。

例えば、力作業が少ない業界であれば、腕力のない高齢者や女性を積極採用するなどして人手不足の解消を目指すことができますが、倉庫作業は、どうしても腕力に頼ってしまう場面があることから、なかなか腕力のない労働力を受け入れにくい状況があります。

待遇改善が難しく人が集まりにくい

物流関連企業でも、人材確保のための対策はさまざまなことが行われています。その中の一つに、ドライバーや倉庫作業員の待遇改善もあるのですが、燃料費の高騰やECサイト側の物流コスト削減のあおりを受け、採算を合わせることを考えると待遇改善をなかなか行えない企業も多いと言われています。
物流・倉庫業界では、燃料費や人件費が大きな比率を占めていますので、企業の経営状態によっては、「倉庫業者で働きたい」となるような待遇で人材の募集ができないのが現状です。

倉庫の人手不足を解消するための対策とは?

それでは、倉庫での人手不足を解消するために有効だと考えられる対策についても考えていきましょう。

女性や高齢者の積極活用

一つ目の対策としては、女性や高齢者など、今まではあまり採用していなかった人材を積極的に活用するという対策です。上述したように、腕力が必要になる場面が多い倉庫業では、その作業の性質から女性や高齢者にとっては「働きにくい現場」というイメージが非常に強いです。
しかし、倉庫業務を細分化し、腕力が無い人でも可能な業務と力仕事を分けるなどと言った対策をとれば、今まで活用できなかった層の労働力を採用することができます。また、短時間の勤務も認めるなど、勤務時間の工夫を行えば、学業との両立を考えた学生などを労働力として活用できるようになるかもしれません。

外国人の登用

さまざまな業界で、人手不足の解消の一手として注目されているのが、外国人の登用です。現在、人手不足が深刻な状況にあると認められている14業種については、外国人就労を解禁する制度が作られています。現状、倉庫業については認められていませんが、これに追加してほしいという要望が出ている状況です。
この要望が認められ、外国人就労が認められるようになれば、人材不足の緩和に繋がると期待されています。

ロボットの導入や自動化

倉庫業務の中で、可能な部分からIT化や自動化を進め、人材不足を解消するという方法が注目されています。倉庫のロボット化や自動化の最たる例は、自動倉庫システムなどで、これを導入すれば、倉庫作業の大部分をロボットが担い、少数の従業員で倉庫作業を進めることができるようになり、人材不足が一気に解消できると期待されています。
なお、倉庫の自動化を進める技術は、さまざまな物がありますので、「どの部分の作業を軽減したいのか?」「どの程度のコストをかけられるのか?」によって導入する技術を選定すると良いでしょう。倉庫作業の人手不足解消に役立つ技術については、弊社が運営するFactism内でご紹介していますので、以下の記事をご参照ください。

> 決して安くない自動倉庫。導入するメリットはどこにあるのか?
> 物流業界で注目されるピッキングロボットとは?
> 物流倉庫で活用されている最新テクノロジーをご紹介!

倉庫内の導線の改善

ロボットの導入や、増員以外の方法でピッキング作業の効率を向上した結果、人手不足の解消につながるケースもあります。それは日々ピッキング作業をする倉庫内のラックや人の導線を改善する方法です。
そのポイントについては以下の記事で詳しく紹介しています。
倉庫の保管効率を改善するためのポイントとは?

まとめ

今回は、倉庫業界で人手不足が生じている原因や、人手不足を解消するために有効だと考えられる対策について解説してきました。

この記事でご紹介したように、倉庫業界での人手不足については、少子高齢化による労働力不足が根底にあるのですが、配送需要の増大も大きな要因になっています。さらに、2020年からは新型コロナウイルスの影響を大きく受けるようになっており、巣ごもり需要による配送量の増大と、従業員の感染症対策の板挟み状態になっています。

新型コロナウイルス問題を経験した現在では、感染症問題が発生した時としても、人手に頼らずに倉庫業務を進められる最新テクノロジーの導入需要がさらに高くなっていくかもしれません。

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