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建設会社の選び方

SELECT

建設会社
選定のポイント

パートナー選定でよくある失敗事例としては、知り合いの建設会社や設計事務所に相談して基本計画を立てるも、正式な見積を取った段階で予算が大幅にオーバーしたり、なるべく価格を抑えてもらったけど、使い勝手が悪かったり、補修や改修でメンテナンス費用がやたら掛かったりなど、知り合いに頼んだが故に強く文句を言えないということがあります。
倉庫や物流センターなどはスピードが求められるため、台車をぶつけたりなど雑に扱わることがも多く、トラックの振動など建物に負荷がかかりやすく、一般的な建物に比べて劣化しやすくなっています。
建てて終わりの会社やメンテナンスは施工業者に任せたり、担当者がいなくなって過去の経緯がわからないなど、長期的な視点に立ったパートナー選びが必要となります。

建設会社選定のポイント

POINT 01

実績が多くても目的に見合った実績や地域性があるか

POINT 02

危険物倉庫は、消防を含めた行政との協議の経験

POINT 03

温度管理を含めた高度な倉庫・工場
(温度管理の場合、居室扱いとなる工場の方が倉庫よりも設計難易度は高くなる)の経験

POINT 04

永くお付き合いをするための会社の経営状況

建設会社選定のポイント

POINTS FOR SELECTING A VENDOR

実績が多くても
目的に見合った実績や地域性があるか

ホームページをみるとどの会社も実績をたくさん掲載していますが、実際にどの部分の設計や施工を担ったのかまでは分からないことが多いです。
危険物倉庫や物流センターなど、この規模の工事を1社単独で作ることは出来ず、必ず地場の協力会社を活用します(設計は可能ですが)。依頼する会社から距離が離れている場合は、現場代理人(施工管理者)が誰になるのか、その会社の人間がどこまで携わるのかきちんと確認する必要があります。またそのエリア特有の自然条件を加味した仕様が提案できているか吟味しましょう。
実績が多いだけでなく目的に見合った実績や地域性があるか

危険物倉庫は、
消防を含めた行政との協議の経験

1級建築士の資格があれば法律上はどんな建物も建てることが出来ますが、危険物倉庫や物流センターを建てる場合、実績の無い設計者では消防法の解釈や、HACCPやGMPに関する知識がないので、行政や認証機関との協議を自社単独で行う必要が出てきます。当然、わからないことも多くやりとりに時間を取られたり、設計変更を余儀なくされるなど何かと手間が掛かるので、そのあたりの経験値を持った建設会社を見つけるか、コンサルタントに依頼することをお勧めします。
近しい業種での設計や施工の経験と蓄積があるか

温度管理を含めた高度な倉庫・工場
(温度管理の場合、居室扱いとなる工場の方が倉庫よりも設計難易度は高くなる)の経験

昨今の倉庫建設においては、温度の管理が求められるケースが増加しています。ただモノを保管するだけの単純な倉庫であれば問題ありませんが、危険物倉庫でも温度上昇を抑える必要があったり、食品や医薬の保管では一定の温度をキープする必要があったりと、より高度な要求に応えられる実績や技術を持った会社に依頼しましょう。
工場はいろいろと制約が多いため、建築基準法は当然として、行政との均衡、各種認証取得などの経験があるか

永くお付き合いをするための
会社の経営状況

これから永くメンテナンスや保証を行っていく中で、会社自体が無くなってしまうと保証も何もあったものではありません。
建設業は、他に比べて耐用年数の長い商品を扱っており長期的な経営能力が求められており、建設業では経営能力を審査する経審という機関があります。
ここでの採点が一つの目安となってますので、価格だけでなく会社自体の信頼性も検討しましょう。
また大企業や全国展開している会社では担当者が、コロコロ変わったり、10年以上前のことは誰も知らないということも往々にしてありますので、しっかりと記録を残す体制構築も必要となります。
実績が多いだけでなく目的に見合った実績や地域性があるか

どの発注形態が最適か?

どの発注形態が最適か?

WHICH ORDERING FORM IS BEST?

パートナー選定のポイントはいくつかあげましたが、同時にどういった発注形態をとるかも重要です。
大まかに分けると、設計会社に設計を依頼し、工事を入札やコンペで決める設計施工分離方式。設計から施工まで一貫して建設会社にお願いする設計施工一貫方式に分かれます。
設計施工分離方式は、デザインを重要視する場合や教育文化施設など公共工事によく用いられ透明性を高めたい時に用いられます。似たような方法としてCM(コンストラクションマネジメント)方式があります。コンサルタントがプロジェクトの透明性と価格の妥当性を検証し発注する方式です。設計施工一貫方式は設計からすべてを1社にゆだねるので、設計部門と施工部門両方を兼ね備えた会社である必要があります。
どちらがおすすめかといわれると建物用途や目的にもよりますが、危険物倉庫や物流センターなどの物流施設は設計施工一貫方式が適切です。
一番のメリットは一貫した履行保証にあります。よくあるケースとして、例えば雨漏りが発生した場合に、設計と施工のどちらに責任があるでしょうか?設計側は問題のない設計をしていると言い、施工側は設計図通りに施工したと主張すると責任の所在がわからず、解決に時間を要します。仮に設計側に問題があったとしても修繕に時間を要しますし、設計側との契約で業務委託費用以上の損害金を支払えない場合は修繕費用が発生するかもしれません。設計施工一貫方式だとシンプルにお願いした会社に修繕を依頼すれば済む話です。
とはいえ、懇意にしている建設会社や設計事務所を利用したいということもあるでしょう、その場合はプロジェクトの傘下に入れてもらって、部分的に発注することは可能です。但し、コストの融通が利かない場合や技術的に厳しい場合は、主幹建設会社の意向に沿いましょう。

設計施工一貫方式のメリット

メリット01

スケジュールが短くなる

分離方式だと、まず設計者を決めてから、施工会社を決定する。変更の際など、いちいち設計者と施工者での確認が必要となる

メリット02

早い段階で見積金額が確定できる

設計施工一貫方式だと、設計しながら社内である程度発注の見込みが立つので、見積の精度も高くなっていくが、分離方式では設計が終了してから見積作成に取り掛かるので時間がかかるし、施工者が決まっていないと更に時間がかかることになる。

メリット03

設計費が安くなる

分離方式だと設計料+監理費用を払うのが一般的だが、ある程度プロジェクトが進んだ段階で計画変更があった場合には追加で設計料を支払う必要がありますし、監理業務に対する経費も上乗せされることになります。設計施工一貫方式だと監理業務は施工会社の検査工程に組み込むことができるのと、設計変更にも柔軟に対応が可能である。

設計施工一貫方式のデメリット

1社に依頼することで、外部の目が入りずらく、コスト競争が生まれない。

公共工事では入札によって極力安い金額で発注することが常識で、建設業界では談合など利益操作をしているという目で見られがちですが、自社の建物においては、そもそも発注時点で大枠の上限予算が決まっており、コンペなどを実施して十分なコスト競争は発生しています。どうしても納得いかない場合は、CM方式といわれるコンストラクション・マネージャーと契約して、見積の正当性を追求することは可能です。ただし、CM会社に報酬を支払う必要があるので、必ずしも減額分が取り消せるわけでもなく、正しく見積してくれる建設会社ならば無駄な費用になってしまいます。
工事や建物の完成度が下がるという懸念もあると思いますが、契約段階での仕様や設備基準を満たさない場合には、履行責任を追及すれば問題ありません。作るはずで作らなくなったものに対しては減額を要求できます。

設計施工分離方式だと設計業務が終わった後で、入札を掛けることができますが、その分時間が掛かりますし、入札の結果、最安値が予算内に収まってるとも限りません。設計会社は常に最新の資材価格や人件費を把握してるわけではないため、年々原材料の値上がり起こってるような状態では、予算を守った設計ができるとも限りません。
何度も設計をお願いしているお抱えの設計者がいる場合や計画に時間的な余裕がある、社内で十分な知見を有してる場合は、分離方式のメリットが出せると思いますが、デメリットよりも明らかにメリットの方が多いので、設計施工一貫方式をお勧めします。
設計施工一貫方式のデメリット

どの建設会社に依頼するか?

Which construction company to ask?

工場建設ができる建設会社の種類を紹介します。

大手・準大手ゼネコン

(総合建設会社)

全国展開している会社、建設業の売上約上位30社。ここでは売上1,000億円以上をクラスを指す。研究開発部門、技術部門、設計部門をもち、建築以外に土木やインフラ工事などを手掛ける。

中小・地方ゼネコン

売上1,000億円以下、さまざまな建物を建てることができるが、ある程度対応できるエリアが限られたり、建物の種類や規模が制限される。

サブコン

特定の分野が得意な建設会社。主にゼネコンの下について、専門の工事を行います。特定の工事だけを担当するので1社だけで建物を建てることはありません。

エンジニアリング

工場の機械設備を開発、納品する会社。工場自体が設備と一体化しているような工場やプラントを得意とする。付帯した建物を建てることができる会社もあります。

ハウスメーカー

住宅専門の建設会社。規模の大小はあるが一戸建てやマンションが中心となるが、会社の規模によって建てれる建物の規模も変わってきます。商業施設などを建設する会社もあります。。

工務店

主に住宅を生業にする地域に根差した建設会社。実際に各種工事を行うので幅広く対応はできるが、大きい建物の場合はゼネコンなどと組んで仕事をする。

設計事務所

規模の大小はあるが、基本的に設計のみ。(設計図通りに建物が作られてるかの監理業務も含む)一級建築士であればどんな建物の設計も可能。

ゼネコン、設備エンジニアリング、設計事務所の違い

建設業以外の方からすると、設計図通りに建てれば、誰が作っても同じ建物が建つと思いがちですが、実は設計図とは別に施工図と呼ばれる工事用の詳細な図面があります。設計図は建物の形を表しており、間取りや寸法、ドアの規格や電源の数、構造計算といった情報が記載されています。

では、これで建物が建つかというと、そうはいきません。実際にどう建てるかを示した施工図が必要となります。設計図を基に施工図を起こすので設計図が大切ですが、実は施工図にこそ食品工場のノウハウが集約されています。

一般住宅の場合は、建物の規模や既製品によるパーツの組み合わせを前提にした設計となっていることで、設計図が施工図を兼ねていることが一般的です。
例えば、設計図では壁の厚さを何ミリと決めて断熱パネルを貼ることは設計できていますが、釘を使うのか、糊やシールで止めるのか、断熱パネルの繋ぎ目はどのように施工するのかという情報は施工図で表します。単に断熱パネルを貼るだけでは、金属製の釘を使うとそこから熱が伝わり、断熱パネルの意味を成しません。サイズ通りの断熱パネルを貼ると、実は端っこから熱が漏れるので端を折り返して二重にしないといけないなど、細かなノウハウが必要であり、これらは施工者に知見があります。このような知見は、常に食品工場と向き合いメンテナンスや修理をすることで蓄積されます。設計だけの関わりだと施工レベルのフィードバックを得ることができませんし、そもそも具体的な事例を目視確認する機会が少ないです。

品質を担保するためには施工の責任を負うゼネコン、ひいては施工図を承認する現場監督に知見を貯めておく必要があるのです。
また、エンジニアリング会社は、機械納品をメインとするエンジニアリング会社と、建物と設備一体型をメインとするエンジニアリング会社に分けられます。後者の場合は、専門性に優位性がありますが、競争が少ないが上に割高になるケースもありますし、特化型となる食品工場自体が稀なケースだと思われます。

建設会社の比較表

Comparison table

建設会社を選ぶ上で大切なことはバランスです。何を重視するかは各会社の知見や経験、人材の状況によって変わってくるからです。
とにかく、安く済ませたいのか、永く付き合ってくれるパートナーを選びたいのか、知見があるので専門性の高い会社と組みたい等々、実績だけを見てもどの部分に携わったのか、実態がわからないことも多いので、パートナー選定にあたっては、評価ポイントを決めて吟味する必要があります。
もちろん、コストを予算内に収めることは前提となりますが、社会情勢の変化によって年々価格上昇が続いてますので、計画段階から建設会社を巻き込んで予算策定することをお勧めします。

大手ゼネコン 中小/地方ゼネコン エンジニアリング 設計事務所 地場建設会社
工務店
企画・提案
設計力
事業理解、将来性、各種法令、敷地の有効利用など様々な要素を含めたプランニングや提案が行えるか? 一般 ★★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★
食品工場 ★★★★ ★★ ★★★★★ ★★
見積・コスト 受注前の見積の精度や実際のコスト 一般 ★★★ ★★★ ★★ ★★★★★
食品工場 ★★★ ★★★ ★★ ★★★★
施工・対応力 施工方法のプランニング、安全性、周辺環境への配慮。
建物の品質やトラブルの対応・解決力など。
一般 ★★★★★ ★★★★ ★★ - ★★★
食品工場 ★★★★ ★★★ ★★★★ - ★★
スピード 全体的なプロジェクト期間や実際の工期、やりとりのスムーズさなど 一般 ★★★ ★★★★ ★★★ ★★ ★★★★
食品工場 ★★ ★★★★ ★★★★ ★★ ★★★
実績 建物を手掛けた数および自社ないでの食品工場に占める割合 一般 ★★★★ ★★★★ ★★ ★★★
食品工場 ★★★ ★★ ★★★★★ ★★
アフターフォロー 建物自体のメンテナンスフフォロー、建物の理解など 一般 ★★★ ★★★★ ★★★ ★★ ★★★
食品工場 ★★★ ★★★★ ★★★★★ ★★
改修 現在の工場や建物改修 一般 ★★ ★★★ ★★ ★★★★★
食品工場 ★★ ★★★ ★★★★ ★★

※いずれの項目も弊社の見解であり、それぞれの会社の得意分野専門性によって評価は変わります。

コスト比較

建設会社を選ぶ上で大切なことはバランスです。もちろんコスト(予算)が占める要因は大きいのですが、何を重視するかは各会社の知見や経験、人材の状況によって変わってくるからです。
安さにこだわって失敗した会社、とにかく有名な設計士に頼みたい、建てた会社がなくなてしまって図面も残ってない、同じ箇所を何度も修理するなど、過去の失敗や経営者の嗜好によって重視するポイントが変わってくるので、とにかく安く済ませたいのか、永く付き合ってくれるパートナーを選びたいのか、知見がある専門性の高い会社と組みたい等々、評価ポイントをしっかり定めておく必要があります。
また、コスト比較においては坪単価だけでなく、どのような工事が含まれるか比較表を作成しましょう。
大きく分類しても共通仮設費、建築工事、内装設備工事、機械設備工事、インフラ工事、(解体工事)、外構工事などがありますが、よくホームページなどで坪単価●●万円~と書かれてることも多いですが、その場合ほぼ建築工事のみの金額となりますので、単純な見積を鵜呑みにしないでください。見積項目を合わせて比較するようにしましょう。見積作成に当たっては必ず現地確認を行ってくれる会社に依頼しましょう、正確な測量データがあっても現地でしかわからない制約があったり、法令や近隣との関係などしっかりした会社であれば現地確認を踏まえた提案が期待できます。
最後に、昨今の物価上昇に伴って建築資材の価格は上昇の一途をたどっています。半年前の見積だとすでに価格が上がってるケースもあるので、パートナー決定後は、建物の構造とサイズを決め手、早めに資材を抑える必要が出てきています。

課題解決シート

RiSOKO®の施工実績を基に、
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