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危険物倉庫を建てる

HAZARDOUS

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危険物倉庫の建設ポイント
危険物倉庫を建設する際は、「倉庫で取り扱う物品の種別や指定数量」「建設予定地の用途地域」「保有空地のルール」「危険物倉庫の制限や規模感」などを理解する必要があります。 危険物倉庫建設で必要なポイントを解説します。課題に沿って最適な危険物倉庫の建設を提案します。

キーワードは「安全」

通常、倉庫というと「機能×コスト」となりますが、顧客の事業戦略上からも危険物だけにまずは安全であることを重要視しており、
だからこそ所轄消防との協議を粘り強く繰り返す。
「安全」「機能」「コスト」の最適化を図る、それができるのが三和建設です。

危険物倉庫とは

消防法で定められている「危険物」を保管する倉庫をさします。
引火・発火性がある、燃焼を促進させる物質を保管する倉庫をさし、毒薬や劇物ではありません。

危険物施設の種類

危険物施設は大きく分けて、製造所、貯蔵所、取扱所の3種類あります。
一般的に危険物倉庫は屋内貯蔵所を指すケースが多い。

・製造所

危険物を製造する施設。 1種類のみ。

・貯蔵所

危険物を貯蔵、取扱う施設。屋内貯蔵所(いわゆる危険物倉庫)・屋外貯蔵所・屋内タンク貯蔵所など7種類。

・取扱所

危険物を取扱う(消費や詰替えなど)施設。ガソリンスタンド・販売取扱所・移送取扱所(パイプライン)・一般取扱所の4種類。

一般取扱所には、以下の用途に区分され複数の種類がある。
ボイラー等で危険物を消費する一般取扱所 → ボイラー、バーナーを用いる施設
吹付塗料等の一般取扱所 → 塗料、印刷、塗布を行う施設
油圧装置等を設置する一般取扱所 → 油圧装置などを設置する施設
充填の一般取扱所 → タンクへの詰替えを行う施設

WHAT

危険物倉庫で取り扱う商品

取り扱う商品をどの程度危険物倉庫で保管できるのかを知る必要があります。
種別 性質 分類 具体例 指定数量
第1類 酸化性固体 - 塩素酸塩類・よう素酸塩類など 50kg
300kg
1000kg
第2類 可燃性固体 - 鉄粉・マグネシウムなど 100kg
500kg
1000kg
第3類 自然発火性物質
・禁水性物質
- ナトリウム・黄リンなど 10kg
20、50kg
300kg
第4類 引火性物質 特殊引火物 引火点:-20℃未満
ジエチルエーテル
-
第一石油類 引火点:21℃未満
ガソリン・ベンゼンなど
200L
400L(水溶性)
第二石油類 引火点:70℃未満
灯油・酢酸など
1000L
2000L(水溶性)
第三石油類 引火点:200℃未満
重油・グリセリンなど
2000L
4000L(水溶性)
第四石油類 引火点:200℃以上
シリンダー油・ギヤ―油など
6,000L
動植物油類 引火点:200℃以上
オリーブ油・ゴマ油など
10,000L
アルコール類 アルコール含有率60%以上
メチルアルコールなど
400L
第5類 自己反応性物質 - ニトロ化合物・ジアソ化合物など 10kg
100kg
第6類 酸化性液体 - 過酸化水素・硝酸など 300kg

※引火点によって第一石から第四石に分かれる。引火点250℃以上は非危険物。

※アルコール類は引火点で定義せず、アルコール含有率60%以上。

WHERE

土地・建設地の条件に合わせた建設計画

危険物倉庫の保有空地

保有空地を設けなければならない施設の代表例は上記のような施設です。
ちなみに、それぞれの施設については、製造所や貯蔵所はその名称から分かるように、危険物を製造したり貯蔵しておくための施設です。タンク貯蔵所については、危険物を入れる専用のタンクを用意して、その中に貯蔵しておく施設のことを指しており、危険物を容器に入れたまま保管・取り扱いする貯蔵所とは少し違うので混同しないようにしましょう。一般取扱所は、街中でよく見かけるガソリンスタンドのことを指しています。

危険物倉庫(屋内貯蔵所)が建設可能な土地

用途地域 用途地域 建設可否
①市計画区域 市街化区域内の
用途地域別制限
第一種低層住居専用地域
第二種低層専用地域
第一種中高層住居専用地域
貯蔵できない
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
指定数量の5倍未満
近隣商業地域
商業地域
指定数量の10倍未満
準工業地域 指定数量の50倍未満
工業地域
工業専用地域
貯蔵制限なし
② ①以外で建設可能な地域 都市計画区域内の非線引き区域
(市街化調整区域は所管行政庁への確認が必要)
都市計画区域外
臨港地区(建築基準法の用途地域の構築物制限は適用されない)
商港区・特殊物資港区・工業港区・保安港区・マリーナ港区・修景厚生港区がある
※保安港区以外は要注意

※ 臨港地区の場合は上記の用途地域上建設可能であっても、臨港地区の分区指定が優先されるため確認が必要

危険物倉庫(屋内貯蔵所)の構造&設備の基準

区分 空地の幅
当該建築物の壁、柱、床が耐火構造である 左欄に掲げる場合以外
建物種類区分
(抜粋)
平屋建て 6m未満 屋内貯蔵庫 一般的な危険物倉庫
20m未満 高層屋内貯蔵庫 2種・4種のみ可能
指定倍数50倍以下 特定屋内貯蔵庫 屋内貯蔵所より耐火要件が少ない
平屋以外 2類・4類(3石4石) 平屋以外屋内貯蔵庫 多層階とすることもできる
建築物内
設置
指定数量20倍未満
※階高6m未満、
 面積75㎡以下
建築物内貯蔵所 工場建屋内に設ける場合等
一般的な
危険物倉庫
(屋内貯蔵所)
をベースに
代表的な制約基準
床面積 1,000㎡を超えないこと。棟別ならOK
高さ 軒高が6m未満であること
屋根 天井は設けられない。(爆発がおきても、爆風が屋根を抜けていくようにするため:放爆構造)
傾斜をつけて溜桝が必要、引火点 70 未満は蒸気排出設備を設けること
避雷針 指定数量10倍以上は必要
保安距離と
保有空地
保安距離 火災時などに付近の住宅、学校、病院の保安対象物に対して影響が及ばないように
離隔を設ける必要がある。
敷地外の住居    :10m以上
学校、病院、公会堂 :30m以上
重要文化財等    :50m以上
→後に学校が建っても保安距離の離隔は求められる。
保有空地 消防活動と延焼防止のために建物の周囲に空地を設ける必要がある。
*壁・柱が耐火構造の場合
指定数量 5倍以下 :保有空地 無し
10倍以下 :保有空地 1m以上
20倍以下 :保有空地 2m以上
50倍以下 :保有空地 3m以上
200倍以下 :保有空地 5m以上
200倍超え :保有空地 10m以上
※1000㎡の危険物倉庫に保有空地5mを加えると約1750㎡
保有空地10mであれば約2700㎡となる。

保有空地の説明

5m保有空地|空地面積約〇〇㎡必要
10m保有空地|空地面積約〇〇㎡必要
保有空地の説明

Equipment / specifications

危険物倉庫に必要な消⽕設備‧放爆仕様

消火設備について

危険物倉庫で必要な消火設備は下記のフローでおおよそ大別できます。
ポイントは、高引火点と指定数量倍数150倍になります。
消火設備について 消火設備について

放爆構造について

放爆構造とは右図のように、爆発が起こったときに屋根から爆風が抜けていかなければならないという消防法の概念です。
一般的に5類保管以外は天井を設けてはならないとなっていますが、天井を設置した事例もあります。
防爆仕様

危険物倉庫の建設は消防協議・許可申請が肝

危険物倉庫の建設は消防協議・許可申請が肝

危険物倉庫では、上記のように様々な基準が決められており、これは建築上の制約と言ってよいでしょう。では、この基準を満たしているかを審査するのが消防署となりますが、例えば”床面積は、千平方メートルを超えないこと”とありますが、庇下の面積の加算については解釈が一律ではありません。
これらの基準を一つ一つ協議を重ねてクリアしていく事で建物規模や仕様が確定していきます。

また、これまで危険物といえば港湾エリアが多かったですが、昨今の物流事情で内陸部での建設も増えてきました。そういった場合に経験のない消防署だと、回答までに時間を要したり、担当者によって判断が異なる場合があります。途中までOKだったのに、最終審査で許可が下りずに作り直す羽目になることもあります。そうならないためにも、他のエリアの事例をもって解決策を提示したり、協議を繰り返すこともプロジェクトの重要な使命と言えます。

危険物倉庫建設の見積依頼

危険物倉庫建設の見積依頼

危険物倉庫は通常の倉庫と違って防爆仕様など特殊な機能が必要です。特に見積金額を左右するのが消防設備です。
HP上で簡単に見積が作成できるサイトがありますが、建物の高さと広さを入れるだけの見積サイトもあります。それらには消防設備の費用は一切含まれていないので、単純な安さに騙されないでください。また、見積依頼をする上で、何を保管するのかを明確にしてから見積依頼をしましょう。

保管する項目によって、消防設備の仕様や温度管理のための設備など見積に大きく影響するからです。特に決まっていない場合は、汎用的な仕様で高くなりますし、対応できない場合は消防設備を丸ごと取り換える必要も出てきます。

危険物倉庫を建てるための課題解決

危険物倉庫を建てるための課題解決

物流会社出ない限り、そうそう倉庫を建てるということはないでしょう。特に自社商品用の倉庫を建てることは稀だと思うので、普通の会社だと社内にノウハウがなかったり、以前の担当者がすでにいないという事が多いでしょう。
また、コンプライアンスの高まりによって、現在の基準では違法建築にあたる場合や、温度管理が求められたり、時代と共に倉庫に要求される仕様は厳しくなってきています。

価格面でも、最近は資材コストの上昇も相まって、10年前と比べても2~3割は価格が上がっており今後も下がることはないでしょう。
大切なのは、最新の知識を持った会社に計画段階から相談することです。
配送の効率化、光熱費などのランニングコスト、人材配置(採用状況)など、事業計画を建物に落とし込んでいく必要があるからです。
RiSOKO(三和建設)では、食品工場を多く手がけた実績から、生産・物流導線を含めた提案が可能であり、採算性を上げるための提案を複数用意します。

危険物倉庫 施工実績

大阪府、兵庫県、岡山県での危険物倉庫の施工事例をご紹介します。
その他全国での危険物倉庫、冷蔵倉庫、自動倉庫の施工実績もこちらからご覧いただけます。

課題解決シート

RiSOKO®の施工実績を基に、
倉庫建設の課題と解決事例シートを
ご提供中です。

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