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食品物流センター建設計画
食品物流センター(三温度帯倉庫)を建てる際に気を付けることは?そもそも倉庫を建てる必要があるのか、借りた方がよいのかを検討することが重要です。
昨今の物流事情から食品に関わる輸送の増加、特に冷凍チルド輸送の増加によって、貸出可能な倉庫が簡単に見つからなくなってきているため、「食品物流センターを建てる」という選択肢を取らざるを得ないことも益々増えてくるでしょう。
では、建設計画を立てるための基本的な検討事項をみていきましょう。
では、建設計画を立てるための基本的な検討事項をみていきましょう。
Temperature control
食品物流センターの温度管理
一般的な倉庫の建設や、とりあえず安く作るということであれば「機能別倉庫を建てる」ページを参考にコストを抑えた工法を検討してください。食品物流倉庫においては、必ず温度管理の問題が付きまとうので、取り扱う商材に合わせて、どのレベルの温度帯を用意する必要があるか検討しましょう。
冷凍については、グレードがあるのでそれに対応した基準がわかり易く区分されているので、表に準拠する形で問題ないでしょう。冷蔵については、微妙なコントロールが必要になってきますので、冷蔵庫の機能性だけではなく、物流業務の作業時間や導線などを考慮して計画を立てることも必要です。低温なのか?定温なのか? 言葉のニュアンスとは裏腹に、正確な温度把握が必要となります。一般的にはこの温度を保つ、上限を超えなければいいと思われがちですが、日本の気象条件は温度帯が広く地域性を加味したシミュレーションが要求されます。
冷凍については、グレードがあるのでそれに対応した基準がわかり易く区分されているので、表に準拠する形で問題ないでしょう。冷蔵については、微妙なコントロールが必要になってきますので、冷蔵庫の機能性だけではなく、物流業務の作業時間や導線などを考慮して計画を立てることも必要です。低温なのか?定温なのか? 言葉のニュアンスとは裏腹に、正確な温度把握が必要となります。一般的にはこの温度を保つ、上限を超えなければいいと思われがちですが、日本の気象条件は温度帯が広く地域性を加味したシミュレーションが要求されます。

主な商材による温度管理区分
温度範囲 | 管理区分 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
四温度帯 | 定温 | 10~20℃の範囲で定温 | |||||||
三温度帯 | 常温 | 10~15℃ | |||||||
冷蔵 | -5~5℃ | チルド | -5~5℃ | 乳製品・精肉など | |||||
氷温 | -3~0℃ | 鮮魚・漬物など | |||||||
パーシャル | -3℃ | 一部精肉・鮮魚・刺身 | |||||||
冷凍 | -15℃以下 | C1級 | -20~-10℃ | パン生地・調理用冷凍食品など | |||||
F1級 | -30~-20℃ | 冷凍畜産物・アイスクリーム類 | |||||||
F2級 | -40~-30℃ | 凍結魚・凍結肉 | |||||||
F3級 | -50~-40℃ | 冷凍カツオ | |||||||
F4級 | -50℃以下 | 冷凍マグロ |
温度管理の3つのポイント
01 庫内の温度、湿度条件
低温であれば管理値は上限値のみとなりますので、設置する設備は冷却能力さえあれば条件を満たせます。一方、定温となると管理値は上限値のみならず下限値も設定されますので、設置する設備は冷却機能に加えて加温機能も必要となります。
また、温度に加えて湿度条件が加わると、更に除湿・加湿機能も付加する必要があります。
温度・湿度条件の設定が計画の第一歩となるという認識を持ちましょう。
02 保管物の入庫温度
倉庫の温度設定が15℃であっても保管物の入庫時の温度が25℃であれば導入設備は保管物の温度維持だけではなく温度を下げる能力が必要となります。
庫内温度条件だけではなく保管予定物の入庫温度の確認も重要となります。
03 物流センターのオペレーション
保管物の温湿度条件や入庫温度の確認が設備や断熱性能の仕様決定根拠となりますが、忘れてならないのは庫内のオペレーションの確認です。
例えば、入出庫の頻度の多さに比例して庫内の温度維持が困難となりますので、設備の能力UPやエアカーテン等の設置によって温度変化を抑制する機能を付加する必要があります。
また、庫内で一部加工作業などが発生する場合は、そのエリアは建築基準法上は”居室”扱いとなりますので換気が必要となります。
常温倉庫であれば換気の影響は少ないですが、温度管理倉庫で外気をそのまま庫内に取り込むと温度変化や結露発生などの問題が発生します。
よって、倉庫内の設備や断熱性能の決定にはオペレーションまで想定しておくことが必要です。
POINT
冷凍倉庫・冷蔵倉庫建設のポイント

結露対策
冷凍倉庫においても結露は重要です。結露するということは余分な水分や温度管理が行き届いていないことになります。様々な要因をシミュレーションをして結露対策を施す必要があります。 空気は目に見えないものなので、的確な要因の抽出ができるかどうかは類似用途施設の設計実績の有無が大きく影響します。

設備と断熱仕様の決定結露対策
温度条件やオペレーションの確認により、設備や断熱仕様の決定となります。 物流センターは完成からが本番となりますので、日常のメンテナンスや将来的な設備更新など維持管理の最適化まで考慮して設備や断熱仕様を決定する必要があります。

省エネ化
冷蔵・冷凍倉庫では、電力消費をいかに抑えるかの工夫が重要です。断熱仕様の検討だけでなく、いかに外気の侵入を防ぐか、扉やシャッターなど構造からの対策が求められます。
Temperature control
食品物流センターの物流機能
食品物流センターにおいては、商品の出荷・配送までの温度管理も重要です。倉庫から車までの移動中の温度変化をいかに抑えるか、衛生状態を保ったまま移動させるかなど、予想以上にシミュレーションが必要な分野です。倉庫だからと言って箱を建てるだけではないことを理解しましょう。
意外と軽視されがちなのが衛生面です。最近では物流センターでも食品であればFSSC22000などの食品安全(HACCP)認証の取得をしたり、医薬品であればGDP基準に即した計画が求められたりと衛生面に対する意識が年々と高まってきています。
合わせてプロセスセンター(流通加工)としての機能も同時に考えましょう。なるべく温度変化させないためにも移動を最小限と考えると現地で加工した方が効率的なので、せっかく倉庫を建てるのであればとことん効率化を追求する必要があるでしょう。これからの時代、自動ラックやAGVなどの導入や将来対応も視野に入れた計画が必要となります。
意外と軽視されがちなのが衛生面です。最近では物流センターでも食品であればFSSC22000などの食品安全(HACCP)認証の取得をしたり、医薬品であればGDP基準に即した計画が求められたりと衛生面に対する意識が年々と高まってきています。
合わせてプロセスセンター(流通加工)としての機能も同時に考えましょう。なるべく温度変化させないためにも移動を最小限と考えると現地で加工した方が効率的なので、せっかく倉庫を建てるのであればとことん効率化を追求する必要があるでしょう。これからの時代、自動ラックやAGVなどの導入や将来対応も視野に入れた計画が必要となります。

Temperature control
食品物流センター建設を依頼する建設会社
ここまでで、一般の設計事務所や安さを売りにしている建設会社では、食品物流センターの建設は難しいことが理解できたのではないでしょうか。
倉庫だけであれば、安く建てることができる建設会社はたくさんあります。
また、冷凍庫や冷蔵庫などの設備を専門とするエンジニアリング会社の一部で建築を請け負うこともありますが、「温度管理のノウハウ」「衛生管理のノウハウ」「物流機能のノウハウ」といった様々な知識が必要となるので、どのような実績があるのか、どのようなアドバイスをもらえるのか、提案時によく確認することが重要です。
倉庫だけであれば、安く建てることができる建設会社はたくさんあります。
また、冷凍庫や冷蔵庫などの設備を専門とするエンジニアリング会社の一部で建築を請け負うこともありますが、「温度管理のノウハウ」「衛生管理のノウハウ」「物流機能のノウハウ」といった様々な知識が必要となるので、どのような実績があるのか、どのようなアドバイスをもらえるのか、提案時によく確認することが重要です。

食品物流センター 施工実績
