物流センターとは?物流倉庫との違いや役割・機能を徹底解説

物流センターとは?物流倉庫との違いや役割・機能を徹底解説

投稿日:2023.01.06 
更新日:2026.01.06 
お役立ち情報

物流センターは、単なる「倉庫」ではなく、入荷から出荷・配送までを一体で担う物流の中核拠点です。
近年のEC市場拡大により、「物流センターとは何か」「倉庫と何が違うのか」と疑問を持つ方も増えています。
本記事では、「物流センター」と「物流倉庫」の違いや、EC市場を下支えする物流センターの役割などについて解説します。

物流センターとは?機能と役割

物流センターとは、商品を保管するだけでなく、入荷から出荷・配送までの物流業務全体を一元的に管理・効率化するための施設です。
単なる保管を目的とした倉庫とは異なり、物流センターは物流フロー全体を最適化する「物流の中核拠点」としての役割を担っています。
 

物流センターの主な役割

物流センターの役割は、大きく分けて以下の3点に集約されます。

  • 物流業務の効率化
    入荷・保管・ピッキング・出荷・配送といった工程を一か所で管理することで、作業の無駄を減らし、リードタイム短縮を実現します。
  • 安定した供給体制の構築
    在庫情報を一元管理することで、欠品や過剰在庫を防ぎ、安定した商品供給を可能にします。
  • 顧客満足度の向上
    短納期配送や正確な出荷対応により、ECや小売ビジネスにおける顧客満足度の向上に貢献します。

 

物流センターの主な機能

物流センターでは、以下のような機能が組み合わさって運用されています。

  • 入荷・検品:メーカーや仕入先から届いた商品の受け入れと品質確認
  • 保管・在庫管理:商品特性に応じた保管と在庫数量の管理
  • ピッキング:注文内容に応じた商品の取り出し作業
  • 流通加工:ラベル貼付、セット組み、簡易加工などの付加価値作業
  • 包装・梱包:配送形態に合わせた梱包作業
  • 出荷・配送手配:配送業者との連携による出荷・配送対応

これらの機能を一体的に担うことで、物流センターは「保管中心の倉庫」とは異なり、物流全体のスピードと品質を高める役割を果たしています。

 

物流倉庫とは?機能と役割

物流倉庫とは、商品を一定期間安全に保管し、出荷まで品質を維持することを主な目的とした施設です。
物流センターのように物流業務全体を担うのではなく、「保管」を中心とした役割を持つ点が特徴です。

 

物流倉庫の主な役割

物流倉庫の役割は、次の点に集約されます。

  • 商品の保管と品質維持
    温度・湿度・保管方法などを商品特性に応じて管理し、出荷まで品質を保ちます。
  • 在庫の安定管理
    中長期的な在庫保管を前提とし、欠品や在庫劣化を防ぐ役割を担います。
  • 出荷前工程の支援
    必要に応じてピッキングや出荷準備を行い、次工程への引き渡しをスムーズにします。

 

物流倉庫の主な機能

物流倉庫では、以下のような機能が中心となります。

  • 入荷対応:仕入先・メーカーからの商品受け入れ
  • 保管:ラックや保管設備を用いた効率的な在庫管理
  • ピッキング:出荷指示に基づく商品の取り出し
  • 出荷準備:出荷単位へのまとめ作業(※配送業務は含まないケースが一般的)

物流倉庫は、物流センターのように流通加工や配送までを一貫して担う施設ではありませんが、物流の基盤として「モノを確実に保管する」役割を担う重要な存在です。

 

物流センターと物流倉庫の違い【比較表】

物流センターは「入荷から出荷・配送までを一貫して担い、物流全体を効率化する施設」であり、これに対して物流倉庫は「商品を安全に保管することを主な目的とした施設」です。

項目 物流センター 物流倉庫
主な目的 物流業務全体の効率化・最適化 商品の保管・品質維持
役割 入荷〜出荷・配送までを一貫管理する中核拠点 出荷まで安全に保管する拠点
主な機能 入荷、検品、保管、ピッキング、流通加工、包装・梱包、出荷、配送 入荷、保管、ピッキング、出荷(※配送は含まないことが多い)
在庫の考え方 フロー重視(滞留させず動かす) ストック重視(一定期間保管)
在庫滞留期間 短期〜即出荷が中心 中長期保管が中心
設備・設計 自動化設備、動線最適化、流通加工スペース 保管効率・安全性重視のラック配置
向いている用途 EC物流、短納期配送、多頻度出荷 在庫保管、安定供給、B2B物流

物流センターの種類

物流センターは、商品を「入荷」してから、「保管」「ピッキング」「流通加工」「検品」「包装・梱包」「出荷」「配送」など、物流に関わるさまざまな業務を担う施設のことを指しています。ただ、国内に点在する物流センター全てが、全く同じ業務を担っているというわけではなく、物流センターもいくつかの種類に分類することが可能です。

物流センターの種類 正式名称/日本語名 在庫保管 主な役割・機能 特徴・主な利用シーン
デポ Depot(ストック・ポイント) 最小限 入荷、保管、出荷、配送 小規模拠点。少量在庫を持ち、高頻度・短距離配送に特化。大規模物流センターの周辺に配置され、ラストワンマイル配送の効率化に貢献
TC Transfer Center(通過型物流センター) なし 入荷、仕分け、積み替え、出荷 在庫を持たず、入荷後すぐに出荷。コンビニ・スーパー・量販店の物流拠点として多く採用され、日本で主流の形態
DC Distribution Center(在庫型物流センター) あり 保管、在庫管理、ピッキング、検品、流通加工、梱包、出荷、配送 大量在庫を保管し、出荷まで一貫対応。物流倉庫に近い機能を持つため、混同されやすい
PDC Processes Distribution Center(流通加工・在庫型センター) あり 保管、流通加工、ピッキング、検品、包装・梱包 DCより高度な流通加工に対応。精密機器の組立や食品加工など、専門設備を備える施設が多い
FC Fulfillment Center(フルフィルメントセンター) あり 受注管理、在庫管理、ピッキング、梱包、出荷、配送、返品対応 EC特化型物流センター。物流業務に加え、受注・決済・顧客管理などECバックヤード全般を担う

ここでは、物流センターの分類とそれぞれの特徴を簡単にご紹介します。

デポ

「デポ(depot)」は、小型の物流拠点のことを指しており、別称で「ストック・ポイント」と呼ばれる場合もあります。この施設は、施設そのものの規模が小さいので、必要最小限の在庫のみを保管し、少量ずつ高頻度で配送を行うなど、配送に特化していることが大きな特徴となります。

一般的に、大規模な物流センターの周辺に、ある程度のエリアに分けてデポを配置し、デポを経由して消費者や小売店に配送するという運用をされています。デポを適切に配置すれば、短い距離・時間で顧客のもとに荷物の配送が可能となるので、高頻度かつ迅速な配送ができる点が運用上のメリットです。

TC(トランスファーセンター)

TCは「Transfer Center(トランスファーセンター)」の略で、日本語に訳すと「通過型物流センター」となります。

この施設の大きな特徴は、在庫を持たない、つまり保管機能がない点です。TCは、商品の入荷、積み替え、仕分け、出荷業務を行う施設で、商品の入荷後すぐに仕分けを行い出荷するという作業工程になっています。

TCの主な例を挙げると、コンビニチェーンや大手スーパーマーケット、大型量販店などの物流センターとして利用されることが多く、日本における物流センターの形としては主流とも言えるかもしれません。

DC(ディストリビューションセンター)

DCは「Distribution Center(ディストリビューションセンター)」の略語で、日本語では「在庫型物流センター」と呼ばれています。

物流倉庫との違いは「商品を配送する機能を持っているか、持っていないか」といった点です。DCは、商品の保管を行わずすぐに出荷するTCと違い、大量の在庫を保管する機能が整っています。また、保管以外にも、「ピッキング」「流通加工」「検品」「包装・梱包」「配送」などの業務も担っています。

DCは、商品の入荷から検品→在庫管理→ピッキング→出荷と言った物流倉庫でも求められる役割を果たしています。おそらく、このDCの存在が物流センターと物流倉庫が混同される要因になっているのではないかと考えられます。

PDC(プロセスディストリビューションセンター)

PDCは、「Processes Distribution Center(プロセスディストリビューションセンター)」の略語です。日本語では「流通加工・在庫型センター」と呼ばれます。

PDCの主な機能は、荷物の保管、流通加工、ピッキング、検品、包装・梱包で、上で紹介したDCと非常に似通った業務を担っているように思えます。ただ、PDCは、DCよりも高度な流通加工を担える設備が整っています。例えば、パソコンなどの精密機械の組み立て、食品の加工など、取り扱う商品に合わせた専門的な機械・設備が導入されていることが大きな特徴です。

PDCの中には、生鮮食品を取り扱う施設も多いことから、工場のような生産ラインが併設されている事例もあります。

FC(フルフィルメントセンター)

FCとは英語のFulfillment Centerの略語です。近年、EC業界で『フルフィルメント(Fulfillment)』という言葉を耳にする機会が増えていると思うのですが、フルフィルメントを日本語に直訳すると、履行や遂行という意味になります。ECサイトで商品を購入した際に、「購入した商品が消費者の手元に届くまでの一連のプロセス」を指しており、EC事業における商品の保管から出荷、配送までを担う物流センターの総称です。

FCでは、受注管理や決済管理・顧客管理・返品及びクレーム対応など、ネット通販の運営に関わるバックヤード業務全般を請け負っている施設まであり、EC市場の拡大を発端としてサプライチェーンの進化が急速に進む中、EC業界を支えるEC特化型の物流センターとして年々その存在感が増しています。

まとめ

今回は、物流業界でよく耳にする施設の「物流センター」と「物流倉庫」について解説しました。この記事内でご紹介しているように、物流センターと物流倉庫は、建築基準法上の分類ではどちらも主たる用途は『倉庫』に該当する施設であることは間違いありません。しかし、それぞれの施設が持つ機能性については、異なる部分が多く存在します。物流センターは、EC市場がどんどん拡大する中、それを下支えする物流施設に求められる機能が年々複雑化していき、それに応えられるような施設になるよう進化してきたという表現が合っているのではないかと思います。

建築的に注意が必要な点としましては、建築基準法上の『倉庫』は『非居室』扱いとなり、人が継続的に使用する『居室』と比較して設置すべき設備基準が緩和されます。一方、「物流センター」や「物流倉庫」における流通加工やピッキングなどで人の継続的な使用が前提となれば、主たる用途が『倉庫』とはいえ『居室』と捉え、採光や換気等の設備を設置する必要があります。新たに拠点を設ける際には、後の使用者の環境を整えるためにも設計段階で室やエリアの使い方を綿密に打合せする事をお勧めします。

なお、物流センターと物流倉庫は、どちらも物流を下支えする施設であり、どちらか一方の施設が生き残っていけば良いというものではありません。この記事でご紹介しているように、同じ物流センターに分類される施設の中でも、いくつかの種類に分かれているように、こういった施設はその時代のニーズに合わせて柔軟に変化していくという特徴を持っています。したがって、数年後の物流施設は、この記事でご紹介した姿とは全く異なるものになっているかもしれません。

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