倉庫業における新型コロナウイルス感染予防対策とは?
投稿日:2020.12.24
更新日:2021.06.29
お役立ち情報
今回は、多くの人が同じ空間で働くことになる倉庫業について、今一度考えたい新型コロナウイルス感染予防対策についてご紹介していきます。
世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルスですが、日本国内では、5月末に緊急事態宣言が解除され、一時期は感染拡大のペースも落ちてきたように思われていました。しかし、当初から予想されていた通り、空気が乾燥する冬場になってみると、急速に新型コロナウイルスの感染者が増加しています。これから年末・年始にかけて、物流・倉庫業界は繁忙期になりますので、従業員の健康を守るためには、より徹底した感染予防対策を心がけなければいけません。
そこでこの記事では、倉庫事業者様がおさえておきたい、新型コロナウイルス感染予防対策を簡単にご紹介します。
Contents
講じるべき具体的な対策について
それでは、倉庫業における具体的な新型コロナウイルス感染予防対策についてご紹介していきます。ここでは、日本倉庫協会が策定した『新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン』を参考にご紹介していきます。
従業員の健康管理
施設内での感染拡大を防ぐためには、従業員の健康状態をしっかりと把握し、少しでも身体の不調を感じている方がいれば、出勤停止などの措置を早期にとれるような体制を作ることが大切です。そのためには、以下のような健康管理をおすすめします。
- 従業員に対しては、出勤前に検温や症状の有無を確認させ、発熱や咳・咽頭痛があるなど、体調不良を感じる人間は自宅待機とする。また、勤務中に体調不良を感じた場合も、直ちに報告し帰宅させること。
- 体調不良により自宅待機となった従業員は、毎日自分の健康状態を確認したうえで、症状の改善が見られない場合は、医師への相談を指示する。また、症状の改善があった場合でも、出社再開の判断は「学会の指針※1」などを参考にする。
勤務形態に関する対策
新型コロナウイルス感染予防では、「人との接触を減らす」ということが非常に重要とされています。ウイルスは目に見えないほど微細なものですので、どこに感染リスクが潜んでいるのか人間には確認のしようがありません。したがって、以下のような対策を行い、できる限り感染リスクを低くするということが重要になります。
- 管理部門や経理部門など、在宅勤務(テレワーク)が可能な従業員は、これを励行する。
- 電車やバスなど、公共交通機関は感染リスクが高いと言われています。したがって、可能な限りこういった通勤手段を用いず、自家用車、自転車、徒歩などを励行する。
- 公共交通機関を利用する従業員は、マスクの着用、できるだけ私語をしないことなどを徹底させる。また、時差出勤を行い、感染リスクをできるだけ低くする。
勤務中の対策について
倉庫などでは、多くの従業員が同じ空間内で作業することになります。したがって、施設内でのクラスター発生を防ぐためには、勤務中の感染予防対策も重要です。
- 始業時、休憩後など、定期的な手洗いを徹底する。企業側は、このために必要な水道設備やせっけん、手指消毒液を用意する。
- 同じ空間内で勤務する場合でも、可能な限り、2mを目安に、一定の距離を保って作業が進められるよう、人員配置を見直す。
- 勤務中は、マスク、手袋などの装着を促す。特に、複数人による近距離での共同作業など、接触が不可避な工程では、これを徹底するようにする。なお、過酷な作業や、長時間の作業などの場合、マスクによる呼吸困難に注意する。
- 更衣室などが混雑しないよう、交代時間を長く設定し、従業員同士の接触を可能な限り抑制する。自家用車で通勤をする人員については、自宅で作業着に着替えて出勤するなどのルールを作る。
- 朝礼、点呼などは、小グループで行い、大人数が一度に集まらないようにする。
- 作業エリアごとの区域を整理し、不必要な他の区域との往来をしないようにする。
休憩時の対策について
多くの従業員が働く大規模倉庫などでは、昼休憩の際に食堂が混雑してしまうなど、新型コロナウイルスの感染リスクがたくさん存在しています。従業員の休憩時も、以下のようなルールを作り、安全な職場環境を作りましょう。
- 休憩をとる場合、屋外であっても2m以上の距離を確保するように努める。また、一定数以上が同時に休憩スペースに入らないよう、グループごとに休憩時間をずらすなどの対策をしましょう。屋内の休憩スペースは、定期的な換気を行い、三密を防ぐことを徹底する。
- グループごとに、食堂の利用時間をずらす。また、椅子を間引きして、従業員同士が十分な距離を確保できるようにする。対面で座るテーブルは、可能な限り対面で座らないように指示したり、中央部分にアクリル板を設置し遮蔽する。
- 喫煙者が感染した場合、重症化リスクが高くなる傾向があると言われているため、禁煙を推奨する。
設備・器具の消毒
施設内には、不特定多数が使用する設備・機器が必ずあると思います。しかし、日常的に使用しているこういった設備は、新型コロナウイルスの感染拡大を引き起こしてしまう危険があります。
- タッチパネルやレバーなど、作業中に従業員が触れる部分に関しては、作業者が交代するタイミングで消毒を行う。
- 個々の従業員が占有できる機器については、できるだけ共用を避ける。共用する機器に関しては、定期的に消毒をする。
- テーブル、ドアノブ、トイレ、電話など、共用設備は頻繁に洗浄・消毒を行う。
- 建物全体や個別の作業スペースは、小まめな換気に努める。
部外者の立ち入について
倉庫は、従業員以外にも部外者が施設内に立ち入ることが多いです。したがって、新型コロナウイルス感染予防対策については、部外者の入場のことも検討しておかなければいけません。
- 一般向けの施設見学などを行っている場合、不要不急な部外者の立ち入りを防ぐために停止する。
- 搬入、搬出など、事業活動の維持に不可欠な部外者の立ち入りについては、当該部外者に対して、従業員に準じた感染防止対策を求める。
- 搬入・搬出のため、施設内に入場する部外者が所属する企業には、自社が行っている感染防止対策の内容を説明し、理解してもらうように努める。
まとめ
今回は、倉庫業における新型コロナウイルス感染予防対策について、日本倉庫協会が策定したガイドラインの内容をご紹介してきました。日本国内での新型コロナウイルス感染症に関しては、一時期感染拡大が落ち着きを見せ始めて、これから終息へ向かっていくと考えていた人も多かったのではないでしょうか?しかし、冬を迎えた現在では、新型コロナウイルスの感染者が急増し始めており、緊急事態宣言が発令された4月以上の感染者数が毎日出ています。
このような状況ですが倉庫・物流業界は特に、これから荷物が増え始める時期になりますので、従業員の感染予防対策が必要不可欠になるはずです。既に、何らかの対策を行っている企業が多いと思いますが、従業員の健康を守るためにも、今一度自社の対策を見直してみてはいかがでしょうか。
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