物流業界の動向と展望と人材確保に重要な採用戦略

物流業界の動向と展望と人材確保に重要な採用戦略

投稿日:2024.12.24  お役立ち情報

昨今の日本では、さまざまな業界で人手不足が深刻化し、「人手不足倒産」なる言葉を耳にする機会が増えています。特に人々の生活や経済活動に直結する物流業界での人手不足が大きな問題となっており、テレビや新聞などの大手メディアでも物流業界での「2024年問題」について、盛んに報道を行っていたのは皆さんの記憶にも新しいのではないでしょうか。

そこで当記事では、物流業界での慢性的な人手不足について、その背景とともに今後の物流業界に求められる人手不足解消のための施策などについて解説します。

日本国内における人手不足は、少子高齢化などを原因とする人口減少が大きな影響を与えているとされるため、外国人や女性など新たな領域の人材確保に動く企業が増えています。しかし、業界の人手不足解消のためには、入社した人を流出させないという視点の対策も重要な時代となるため、人材流出を防ぐための施策についても解説します。

 

物流業界における人手不足の現状と対策

まずは、物流業界の現状について解説します。物流業界における人手不足を考える際、たびたび取り沙汰される問題が「2024年問題」です。

2024年問題とは、2024年4月以降、トラックドライバーの時間外労働時間に上限規制が適用されることや、改正改善基準告示が適用されることで、ドライバーの労働時間が短縮されることを原因として発生する諸問題のことを指しています。いわゆる働き方改革の一つであり、トラックドライバーの長時間労働などが是正されるというメリットがある一方、ドライバー不足の深刻化が懸念され、「ものが運べなくなるのではないか?」と問題視されました。

 
物流業界の「2024年問題」とは?労働時間の上限規制への対策が始まっている!

実際に、財務省の広報誌で公表されたデータによると、2024年問題に対して適切な対策を講じなかった場合、2024年に14%、2030年には34%の輸送力が不足することになるという見通しが出されています。なお、物流業界における人手不足は、トラックドライバーに限らず、倉庫内作業員の人手不足も深刻化しているとされます。それでは、物流業界における人手不足は、何が背景となっているのでしょうか。

参照:経済産業省広報誌より

 

物流業界で人手不足が深刻化している背景

物流業界における人手不足の深刻化は、さまざまな要因によって引き起こされています。ここでは、具体的にどのような問題があるのかをご紹介します。

  • 高齢化
    物流業界で働くトラックドライバーの年齢構成は、全産業の年齢構成と比較しても、高齢化が進んでいるとされます。国道交通省の資料によると、40代~50代前半の従業員の割合は、全産業で34.7%であるのに対して、トラックドライバーは45.2%という結果になっています。また、20代以下の若者人材の割合は、全産業が16.3%なのに対し、ドライバーは9.1%となっています。
    今後の日本は、少子高齢化がさらに進み、生産年齢人口自体も減少を続けると考えられているため、ドライバーの高齢化やドライバー不足は今後も続くと考えられます。
  • 労働時間が長く、給与水準が低い
    トラックドライバーなど、物流業界の仕事は、労働時間が長い一方で、給与水準が全産業平均よりも低いという状況にあります。例えば、小・中型トラックの年間所得額は、全産業平均の489万円と比較した場合、約2割も低いという状況になっています。当然、労働時間が長いのに賃金は低いという状況は、求職者にとって物流業界を選択するメリットが少なく、この状況が人手不足の深刻化を招く一つの要因になっています。
  • 力仕事が多いなど、体への負担が大きい
    物流の現場は、力仕事が多く、体力面の負担が大きくなってしまいます。荷物の積み降ろしやピッキングのために倉庫内を歩き回る、荷物の運搬をするなど、力や体力が必要とされる場面が多いです。そのため、物流業界の仕事は、働き手がある程度限定されてしまうという問題があります。実際に、2022年の就業者に占める女性割合について、全残業の平均が45%であるのに対し、運輸業・郵便業では21.9%と、かなり少なくなっています。この状況を鑑み、公益社団法人全日本トラック協会などは、女性や高齢者が働きやすい職場づくりの必要性を提唱しています。

 
このように、物流業界での人手不足は、さまざまなことが要因となっています。もちろん、上で紹介した以外にも、さまざまな問題が物流業界を悩ませています。
 
参照:国交省「トラック事業の概要
 

物流業界で取り組まれている人手不足解消のための解決策

物流業界では、人手不足を解消するための対策に取り組む企業が増えています。ここでは、物流業界の人手不足解消のため、積極的に取り組まれている主な対策をいくつかご紹介します。

  • 配送方法の見直し
    一つ目の対策としては、モーダルシフトや共同配送など、配送方法の見直しによる省人化という対策です。この対策は、「新たな人材の確保」という方向の対策ではなく、配送能力の向上や物流業界で働く人員の負担軽減に役立ちます。もちろん、労働環境が改善されるという面では、人材確保にも効果があるかもしれません。
  • 技術の導入による省人化
    物流業界では、自動倉庫やロボットの活用、物流システムの活用など、最新テクノロジーを利用した省人化が急速に進んでいます。人材採用の面での対策のみでは限界があるため、人手を必要としない作業領域を増やすというのも、人手不足解消の一手となるはずです。
  • 新たな人材の確保
    物流業界は、人材確保のための採用戦略に力を入れる企業が多くなっています。例えば、力仕事が多いという理由から、今までは採用が難しかった女性や高齢者といった人材などについても、パワードスーツの導入により、負担なく働けるようにするといった対策が取られています。
    この他にも、外国人労働者の採用のため食事や宗教への配慮を行う、労働環境を積極的に改善するといった対策を施すことで若年層からも選ばれる職場環境を作るといった対策が積極的に行われています。

 
物流業界の人手不足解消は、新たな人材を確保するための採用戦略と並行して、システムやロボットなど最新技術を利用した省力化・省人化対策が進められています。

特に、自動倉庫やロボットの導入は急速に進んでいます。しかし、技術の導入による省力化・省人化を進めたとしても、人の手を全く必要としない環境を作ることは難しいため、人材の確保は優先事項となっていくことでしょう。

 

人手不足解消は「人材流出」を防ぐことも重要な採用戦略となる

物流業界の人手不足は、若年層から魅力的な仕事とみなされておらず、採用に苦戦する企業が多いことが主な要因と考えられています。実際に、トラックドライバーなどの職種では、若手人材の確保に苦戦し、人員の高齢化が年々進んでいると言われています。

そこで、物流業界では、先ほどご紹介したように、新たな領域の人材の確保や最新技術の導入による省人化対策が取られるようになっています。

ただ、物流業界における人手不足は、「新たな人材の採用に苦戦している…」という事だけが原因ではありません。実は、物流業界の職場は、せっかく入社してくれた人材が、早期に離職してしまっているということも、人手不足に拍車をかけていると言われています。

厚生労働省が2022年に公表した「新規学卒就業者の離職状況」によると、運輸業、郵送業における就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者で32.7%、新規大卒就職者が25.5%となっています。

この数字は、他の産業と比較して、取り立てて高いわけではないのですが、物流業界は若年層就業者(29歳以下)の割合が全産業の平均をかなり下回っていることを考えると、非常に深刻な問題と捉える必要があります。慢性的な人手不足を抱えている業界と言われる中、せっかく獲得した若手人材が、高卒者で3人に1人、大卒者で4人に1人が入社後3年以内に離職するというのは、大きな痛手となります。よって、物流業界の人手不足の解消を考えた時には、「新たな人材の確保」と並行して「入社した人材を流出させない」ための対策も重要となると言えます。

そこでここでは、三和建設が人材流出を防ぐために提案する新たな採用戦略「HuePLUS(ヒュープラス)」についてご紹介します。

 

三和建設が提案する新たな採用戦略「HuePLUS(ヒュープラス)」

HuePLUS(ヒュープラス)

引用:HuePLUS公式サイトより

「HuePLUS(ヒュープラス)」は、あらゆる企業で喫緊の課題となっている人材確保の問題を「人材の流出を防ぐ」という方法で解決に導くためのプロジェクトです。

時代の変化とともに社員寮を用意する企業が少なくなったとされていますが、コロナ禍や進化するデジタル化によって、人と人とのつながりの重要性が再認識されるようになっています。「HuePlus(ヒュープラス)」は、共同生活を行うことで自信の喪失、不安や孤独の多い時期に社員同士がコミュニケーションを活発にして横のつながりを強くする仕組みを取り入れ、人材流失による損失を防ぎます。

上のグラフは、離職率で悩んでいた企業にてHuePlusを取り入れたことによる効果を示すものです。2017年にHuePlusの導入を行い、2020年からは定着率100%を続けています。

HuePLUSは、「社員のエンゲージメントを高める」ことを目的としており、ただ単に寮を建てるだけでなく「課題解決のための寮建設」をコンセプトとしています。そのため、一般的な寮と異なり、以下のような特徴を持っています。

  • ワークショップによるコンセプトづくり
  • ハード(建物)とソフト(ひとづくり)を掛け合わせたプロセス
  • 寮を通じて、入寮者に教育的なアプローチをする
  • 企業文化の浸透で、人材の定着と成長に大きく貢献する

 
一般的な社員寮は、プライバシー空間や通勤の利便性のみが重視されるため、同じ寮に住んでいる従業員同士の交流が積極的に行われないケースも少なくありません。一方HuePLUSは、人が交わるきっかけが生まれる空間づくりを重視し、同年代の社員が共同生活を送ることでコミュニケーションが増え、社員同士の連帯感や深い信頼関係が構築されやすい仕組みになっています。そのため、人と人がより強く結ばれることで、定着率の向上に繋がるのです。

実際に、HuePLUSを導入した企業にアンケートをとった結果、同期との関係性の構築に寮が関与したと答えた方は88.2%にのぼっています。

採用した人員が、入社後2年以内に離職した場合、採用コストや人員補充にかかるコスト、育成や人件費などのことを考えると一人当たり1183万円の損失になると言われています。つまり、物流企業の「人材流出を防ぐ」という方向の対策は、人手不足の解消だけでなく経済的な損失を防ぐための対策としても非常に有効と言えます。

HuePLUSの詳細については、特設サイトで詳しく解説しています。人材の流出に頭を悩ませている企業様は、ぜひ以下のページをご確認ください。

 
> 三和建設が提案する新たな採用戦略「HuePLUS(ヒュープラス)」

 

まとめ

今回は、物流業界で深刻な問題となっている人手不足について、なぜこの問題が深刻化しているのか、また各企業が人手不足解決のためにどのような対策に取り組んでいるのかを解説しました。

物流業界では、自動倉庫やロボットの導入による省人化に並行して、労働環境の改善による人材確保の動きが強まっています。ただ、記事内でもご紹介した通り、どれほど人材の確保に力を入れ、多くの人材を確保できたとしても、早期の退職を招いてしまうと人材確保にかけたコストさえも無駄になってしまいます。

今後の日本の情勢を考えても、少子高齢化問題が解決し生産年齢人口が増加に転じるとは考えづらいです。そのため、企業の人材確保のための採用戦略では、新たな人材をどのようにして確保するのかに合わせて、入社してくれた人の定着率を高めることが非常に重要な課題になると言えるでしょう。
三和建設が提案する「HuePLUS(ヒュープラス)」は、人材の流出を防ぐ戦略として、確かな実績を残しています。社員の定着率に悩んでいる企業様は、お気軽にご相談ください。

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