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危険物倉庫とは?倉庫はどのような物でも保管できるわけではありません!

2019.08.02お役立ち情報

今回は、倉庫の中でも『危険物倉庫』にスポットを当て、危険物倉庫とはどのようなものを指すのかについてご紹介します。
一般的に、倉庫とはお客様の大切な製品を一時保存する場所で、どのような物品でもスペースさえあれば、保管して良いと思われる方も少なくないでしょう。しかし、保管するものによっては、火災や爆発、有毒ガスの排出など、災害につながる危険性がある物質も存在します。
例えば、ガソリンなどの石油製品は、取り扱いを一つ間違っただけで大きな火災事故に発展してしまう危険性があり、一般環境で大量に取り扱うことは法律で禁止されています。そういった危険性のあるものを保管するためには特別な許可を得る必要があるのです。そして、これらの危険な物質は、重大な火災や災害を引き起こさないため、保管する際には建物の構造や基準が厳しく定められています。
つまり、上記のような危険な物質を大量に保管する倉庫が『危険物倉庫』と呼ばれ、保管する場合には、危険物倉庫に関する正しい知識を持っておかなければいけません。そこで今回は、さまざまな危険物や、危険物倉庫に関する基礎知識をご紹介します。

危険物倉庫って何?

それではまず、「危険物倉庫とは?」という、最も基礎的なことからご紹介します。危険物倉庫は、その名前からも分かるように、『危険物』と定められているものを保管するための施設を指しています。なお、この基準となる法律は『消防法』によって定められており、法文中には、危険物を取り扱う施設について、その詳細が定義されています。
危険物を取り扱うことができる施設は、大きく分けて3種類あるので、以下を覚えておきましょう。

  • 危険物を製造するための施設となる『製造所』
  • 大きな指定倍数で危険物を取り扱う『貯蔵所』
  • ガソリンスタンドなど、危険物を小さい指定倍数で扱う『取扱所』
    ※ガソリンスタンドは「給油取扱所」、危険物を販売する施設は「販売取扱所」、危険物を送るパイプラインなどは「移送取扱所」と呼ばれます。

危険物を取り扱う施設は、上記のように分かれており、この中でも危険物倉庫は2つ目の『貯蔵所』に該当するものとなります。
なお、危険物を取り扱う倉庫を使用するには、法律に従って施設の設備を整え、人員を整備する必要があります。また、そのうえで、消防庁もしくは他の定められた機関に各種申請などを行い、許可を得なければならず、その他、各市町村によって条例や規則が設けられているなど、専門的な知識や行政との協議が必要になります。

危険物とは?

それでは次に、「危険物とはどのような物を指すのか?」についてご紹介します。危険物を正しく取り扱うことを考えた場合、「危険物とは何か?」ということについては詳しく把握しておかなければいけません。
一般的に、「危険物とは?」と聞かれると、毒薬や劇物をイメージする人が多いかもしれません。しかし、工場や倉庫の運営において、危険物として取り扱われる物質は消防法によって定められています。

消防法第2条第7項
危険物とは、別表第1の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいう。
引用:消防庁資料より

消防法は、危険物の取り扱いや保管方法が定められている法律で、危険物の定義に関しては、上述のように記載されています。日本における危険物とは、通常の状態で保管・放置しておくと、引火性・発火性があり、火災や爆発、中毒などの災害につながる危険がある物質のこと。
それでは以下に、消防法に定められている危険物について種類別にご紹介します。

  • 第一類 酸化性固体
    他の物質を強く酸化させる性質があり、可燃性と混合したときに、『熱・衝撃・摩擦』により、きわめて激しい燃焼を起こさせる。
    (1) 塩素酸塩類、(2) 過塩素酸塩類、、(3) 無機過酸化物、(4) 亜塩素酸塩類、(5) 臭素酸塩類、(6) 硝酸塩類、(7) よう素酸塩類、(8) 過マンガン酸塩類、(9) 重クロム酸塩類…など
  • 第2類 可燃性固体
    それ自体が燃えやすい、もしくは40度未満などの低温でも引火しやすい性質がある。
    (1) 硫化りん、(2) 赤りん、(3) 硫黄、(4) 鉄粉、(5) 金属粉、(6) マグネシウム…など
  • 第3類 自然発火性物質および禁水性物質
    空気、水に触れることで発火もしくは可燃性のガスを発生させる性質がある。
    (1) カリウム、(2) ナトリウム、(3) アルキルアルミニウム、(4) アルキルリチウム、(5) 黄りん…など
  • 第4類 引火性液体
    燃えやすい液体のこと。
    (1) 特殊引火物、(2) 第一石油類、(3) アルコール類、(4) 第二石油類、(5) 第三石油類、(6) 第四石油類、(7) 動植物油類…など
  • 第5類 自己反応性物質
    加熱分解などによって爆発の恐れがある固体や液体。通常、物が燃焼するには酸素が必要ですが、このカテゴリーの物質は分子内に酸素を含んでおり、空気に触れなくても燃焼が進む。
    (1) 有機過酸化物、(2) 硝酸エステル類、(3) ニトロ化合物、(4) ニトロソ化合物、(5) アゾ化合物、(6) ジアゾ化合物…など
  • 第6類 酸化性液体
    第一類と同様に、他の物質の燃焼を促進させる性質をもつ。刺激臭を有する物質が多い。
    (1) 過塩素酸、(2) 過酸化水素、(3) 硝酸…など

参考資料:消 防 法 令 抜 粋(消防法上の危険物の定義、試験方法など)

普通の倉庫では危険物を絶対に保管できない?

上述した通り、日本では消防法によって危険物が定められており、それらを取り扱うためには厳しい基準を満たしたうえで許可を得る必要があります。したがって、消防法や市町村の条例などを想定していない一般的な倉庫であれば、大量の危険物を保管することは不可能と考えておいた方が良いでしょう。
しかし、よくよく考えてみると、一般家庭でも石油ファンヒーターを利用するため、いくらかの燃料を保管している場合がありますし、企業によっては溶接や金属の切断のために危険物に該当する物質を貯蔵している場合などもあると思います。こういった場合、一般家庭であっても、保管のための許可を取らなければならないのでしょうか?もちろん、そのようなことはなく、危険物を取り扱う場合でも、ごくわずかな量であれば許可はなしに保管することも可能です。
具体的な危険物の量に関しては、まず消防法が定める『指定数量』を知らなければいけません。この指定数量を超えて危険物を取り扱う場合には、危険物取扱者などの資格取得者や基準を満たす貯蔵庫を用意するなど、さまざまな規制を受けます。さらに、「指定数量5分の1以上」であれば、『少量危険物』に分類されることになり、資格なしでも取り扱いが可能となるのですが、『消防署に届出を出した倉庫」「貯蔵庫の周りに1m以上の保有空地を作る」などの法律に則って保管する必要があります。
つまり、危険物が「指定数量の5分の1未満」であれば、一般の倉庫などでも危険物を扱うことができるようになるのです。ちなみに、ガソリンの『指定数量』は200L、灯油・軽油は1,000Lなど、品目によって異なります。

まとめ

今回は、物流倉庫などの一般的な倉庫ではなく、危険物倉庫についての基礎知識をご紹介してきました。通常の状態で保管するだけで火災や中毒など、重大な災害を引き起こす危険性がある物質の保管は、消防法によって厳しい基準が設けられています。もちろん、こういった物質を取り扱うためには、専用の保管施設の建設が必要になります。

危険物倉庫を建設する際には「建築基準法」「危険物の規則に関する政令」「火災予防条例」など、さまざまな専門的で複雑な法令を理解しておく必要があります。危険物倉庫建設の計画・設計段階でしっかりと行政指導の主旨や倉庫の特性を理解していなければ、法令の主旨にそぐわない危険物倉庫ができてしまう可能性があります。
そんな危険物倉庫の建設実績を多く持つ三和建設では、このような基準をすべて満たしたうえで危険物倉庫建設の依頼主の利便性やニーズに合わせた設計の提案を行っております。