危険物の取り扱いを行う場合に知っておきたい『保有空地』や『保安距離』の基礎知識
今回は、危険物の保管を行う危険物倉庫などで、絶対におさえておきたい『保有空地』の基礎知識をご紹介していきたいと ...
2020.03.20お役立ち情報
近年、さまざまな業界で活用されるようになってきた『AI技術』。工場などの製造現場では、少子高齢化による労働力不足が問題となっており、施設の省人化や省力化を叶えられる技術としてAIが非常に期待されています。
それでは皆さんは、『AI技術』にどこまでの期待をしているでしょうか?最近では、テレビドラマや映画などでもAIをテーマとして取り上げているものが多くなっているため、その影響でAIは自ら予測や学習を行っていくもので『AI=万能』とまで考えている人が増加しているように思えます。しかし、この記事のタイトルでご紹介しているように、AIは必ずしも『万能』とは言えず、それどころか開発途上の技術であるため、まだまだ苦手とすることも多いのが現状なのです。
したがって、工場や倉庫において、AIの導入による労働環境の改善を検討している場合、AIが何を得意として何が苦手になるのかをきちんと押さえておかなければならないでしょう。そこで今回は、さまざまな業界で活用がスタートしているAIの得意なことと苦手なことを簡単にご紹介します。
Contents
それでは、一般的にAIが苦手とする…と言われていることについてご紹介していきましょう。当然、苦手とする分野にAIを導入したとしても思ったような成果を出すことは難しいと考えておいた方が良いでしょう。
何らかの作業を行う場合には、複数の選択肢から「判断」する必要があります。AIに作業を任せる場合も同じで、「〇〇をする」という判断をAIが行い行動するのです。それでは、AIが行動を起こすための判断はどのようにして行われているのでしょうか?
実はAIが何らかの判断を行えるようにするためには、その判断を行うための過程となる「ロジック」を学習させておく必要があり、学習していないロジックについては判断することができず実行に移すことができないのです。例えば、物品の仕分けをAIに判断させようと考えた場合、物体の種類を予め学習させておく必要があるのです。
人間が会話するときには、微妙なニュアンスでも会話の流れでその言葉の意味や意図を理解することができます。しかし、AIは、言葉の意味を理解して解釈することは得意ではないのです。例えば、決まった単語や構文に対して学習した行動を繰り返すことはできたとしても、その意味を理解したうえで行動しているわけではありませんので、学習していないことまで応用して行うような反応はできません。
また、会話の中で発言した人の感情を汲み取るといったことも難しいと言われており、人間のように同じ言葉でも発言者がどのような感情をもってその発言をしているのかを判断することは現状できません。
AIは、学習したロジックに基づいて、最も効率的と考えられる選択肢を判断します。①で紹介したように、事前に学習していない限り、その判断に考慮や遠回りなどは一切介入しません。
分かりやすい例を挙げると、同じ作業の割り振りをAIに任せたとして、仕事の早い人と仕事の遅い人がいれば、「仕事の早い人に割り振った方が早く終わる」と判断し、必ず仕事の早い人に割り振りを行うのです。そうすると、仕事の割り振りが偏ってしまい、負荷が集中した人はパフォーマンスが落ちて作業スピードは落ちてしまいます。さらに、割り振られない人はずっと成長ができないままになってしまいます。
人間であれば、作業の負担量を考慮したり、新人教育のために遅い人にも割り振りを行い経験させる…といった判断ができるのですが、AIの場合、そういった学習をさせない限り、微妙な差配ができないのです。
①~③の説明から分かるように、あらかじめ学習しておくことが必要なAIは、「今までになかった」というような創造性が必要な作業には対応することができません。あくまでも「教師データ」に基づいて行動するものですので、『芸術』などに必須と言われる斬新な情報の提示などはできないのです。
最近では、AIによって絵を書かせたり楽曲を作らせたりする…といったことが話題になっていますが、これらは過去に存在する絵や音楽を教師データとして取り込み、AIがランダムに組み合わせただけのものですので、斬新な、創造性のあるものとはとても言えないでしょう。もちろん、過去の創造物をもとに新たな創造物を自動で組み合わせることはすごいことと言えるのでしょうが、結局はすでにあるデータを繋ぎ合わせただけに過ぎないのです。
教師データとは
《teaching data》機械学習の教師あり学習において、人工知能のニューラルネットワークがあらかじめ与えられる、例題と答えについてのデータ。この大量のデータをもとに、ニューラルネットワーク自体が出力結果の正否を判断し、最適化を行う。
引用:goo辞書
それでは逆に、AIが得意とすることについても簡単にご紹介しておきましょう。
今回は、近年さまざまな業界で活用が始まっているAI技術についてご紹介してきました。本稿でご紹介したように、「AIは万能だ!」と考えている方も多いかもしれませんが、実際にはそのようなことはなく、AIでも苦手とする分野はたくさん存在するのです。AIというものは、あくまでも人が学習させたことに関してはそのデータに基づいて判断・実行が可能となるのですが、学習していないことを勝手に判断するようなことはできないのです。
工場などの製造現場で考えてみると、正確で素早い作業が可能という点では非常に有利な技術となりますので、そのメリットを最大限生かせるような導入方法を検討すると良いでしょう。