危険物の取り扱いを行う場合に知っておきたい『保有空地』や『保安距離』の基礎知識
今回は、危険物の保管を行う危険物倉庫などで、絶対におさえておきたい『保有空地』の基礎知識をご紹介していきたいと ...
2019.11.11お役立ち情報
今回は、危険物倉庫には大地震を想定して「どういった安全対策を進める必要があるのか?」についてご紹介します。
危険物倉庫とは、消防法によって定められた危険物を保管する倉庫のことで、「通常の状態で保管・放置しておくと、引火性・発火性があり、火災や爆発、中毒などの災害につながる危険がある物質」の保管を行います。こういった危険物は、地震などの揺れによって棚などから落下してしまうと大規模火災を引き起こすなど、大事故を生じさせる可能性があるため、保管用の棚や架台などのラックにもさまざまな決まりが設けられています。
そこで今回は、屋内貯蔵所に設置する架台の構造に関する規定や危険物倉庫の安全対策アイテムをご紹介します。
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危険物とは、冒頭でご紹介したように「通常の状態で保管・放置しておくと、引火性・発火性があり、火災や爆発、中毒などの災害につながる危険がある物質」を指しており、それらは消防法によって定められています。危険物の中には、皆さんの身近にあるガソリンのように引火性が高く燃えやすい物質や、それ自体は燃焼しないが、酸素供給源になって他の物質を激しく燃焼させるなど、燃焼を促進させ火災の原因になるようなものも含まれます。
これらの危険物は、以下のように第1類~第6類までの6種類に分類されています。
屋内貯蔵所に設置する架台の構造及び設備は、以下のとおり耐震性を確保する事が求められています。
※上記の架台の技術基準は、屋外貯蔵所の架台についても適用されます。
なお、危険物を保管するラックを設置する場合、予め消防に書類を提出しなければなりません。屋内貯蔵所の地震対策に係る運用については、以下の参考資料もぜひご覧ください。
それでは、危険物倉庫において自然災害に備えるための安全対策アイテムなどをご紹介します。日本は、地震大国とも呼ばれており、諸外国と比較しても地震が多い国です。私たちの記憶に新しいものでも、東日本大震災や熊本地震、大阪府北部地震などがあり、多くの建物に甚大な被害が発生しました。さらに、今後も南海トラフ地震など、マグニチュード8クラスの巨大地震が発生する可能性が高いと予測されていることもあり、危険物倉庫の自然災害対策は必要不可欠といえるでしょう。
まずは、荷物の落下防止のための代表アイテムといえる落下防止バーです。この製品は、ラックの支柱に取り付けるタイプで、フォークリフトのツメで上げ下げでき、収納物の落下防止が可能です。荷物の収納後、そのままフォークリフトなどで簡単に設置できる落下防止バーとなりますので、運用も簡単だと思います。メーカーも、危険物倉庫の材料保管、危険物、劇薬保管などの、ラック収納物落下防止用として販売しています。
メーカーサイト:有限会社キュービック静岡
これは『危険物倉庫専用ラック』として販売されているもので、さまざまな地震対策が施されたラックとなります。製品の詳細情報に関しては、上の動画が非常にわかりやすいので、ぜひご参照ください。
ちなみに、同メーカーから『少量危険物倉庫専用ラック』も販売されていますので、用途によって選択するラックを変えることが可能です。
メーカーサイト:フシハタ技研
本稿でもご紹介したように、危険物倉庫は「通常の状態で保管・放置しておくと、引火性・発火性があり、火災や爆発、中毒などの災害につながる危険がある物質」を保管しておく場所です。そのため、地震の揺れなどによってこういった物質が落下・流出などしてしまうと、大規模火災などの2次災害につながってしまう恐れがあるのです。
危険物を保管する場合には、細心の注意を払い、本稿でご紹介したような安全対策を施すようにしましょう。
※本記事でご紹介している製品情報などは、各社がWEB上で公開している情報をピックアップしてまとめたものです。