NEWS

USEFUL INFORMATION

身近な異物混入ポイントについて。頻繁に利用する調理器具が異物混入源になる可能性があります!

2020.06.29お役立ち情報

今回は、食品工場や飲食店などが注意しておきたい身近にある『異物混入ポイント』についてご紹介します。

食品を取り扱う施設であれば、『異物混入』は絶対にあってはならないものですので、非常に厳しい品質管理・衛生管理体制が整えられています。しかし、さまざまな技術が進歩した21世紀の現在でも食品への異物混入事故を完全になくすことができていないのが実情です。実際に、2019年6月には、大手食品会社が製造する冷凍食品に複数のプラスチック片が混入していたことが確認され、商品の出荷エリア全体で回収騒ぎになったのは記憶に新しいことだと思います。

それでは、製品の品質管理や衛生管理に潤沢な予算が使えそうな大企業であっても、異物混入事故を無くせないのはなぜなのでしょうか?当然、食品を取り扱う施設ですので、使用する機械・設備の選定や普段の清掃などに細心の注意を払っているのは間違いないことだと考えらます。
そこで今回は、意外と見落とされがちな食品への異物混入事故の原因についてご紹介します。

異物混入事故の現状

それではまず、異物混入事故の現状を簡単にご紹介しておきましょう。参考として東京都福祉保健局が公表している平成29年度に東京都内であった食品関連の苦情件数をご紹介します。平成29年度には、5164件もの食品関連の苦情があったとされていますが、そのうちの918件が異物混入に関するものだったそうです。1年間で1000件近くもの異物混入に関する苦情があったという事実は少し驚きですね。
どのような異物が食品に混入していたのかについては、虫類が266件と最も多く、毛髪などの動物性異物が127件、金属やガラス・砂などの鉱物性異物は117件、ビニール片やゴム片などの合成樹脂類が116件と続きます。この異物混入事故のデータを確認してみると、食品への異物混入は、ビニールや金属片など人間から混入したものではない場合が非常に多い事がわかります。

特に、砂や金属、プラスチック片などの硬いものが食品に混入してしまった場合、それを口にしたことで歯が欠けてしまったり、食道を傷つけてしまうなどの危険性もあります。それでは、こういった鉱物性異物や合成樹脂類というものはどこから混入してしまうのでしょうか?実はこれらの異物は、製品を製造するために使用する計量器具や包丁などの調理器具といった、食品を取り扱う施設では非常に身近な道具が原因となってしまうことも多いと言われているのです。

参考:東京都の食品安全情報サイト
参考:食品安全アーカイブズ

意外と身近にある異物混入ポイント

それでは食品工場や飲食店などが注意しておきたい身近な異物混入ポイントをいくつかご紹介しておきましょう。

プラスチック製の計量カップ

一般家庭などであれば、プラスチックやガラスで作られた計量カップが一般的ですが、このタイプの計量器は、熱いものを入れた時や落とした時にひび割れが入ってしまい、それに気づかずに使用することでプラスチック片の混入原因となってしまう場合があるのです。

したがって、食品工場や飲食店などで使用する計量カップを選択する場合は、耐熱性が高く簡単に欠けたり割れたり、破片が生じないステンレス製のものがオススメです。ステンレス製の計量カップは、透明でないため計量がしにくいと思われがちですが、内側の目盛に慣れれば、そこまで使いにくさはないと思います。何より、高耐久で割れたりすることもないため、異物混入の心配がないのが食品関連施設にはメリットになります。

包丁にも注意が必要

食材を切るために使用する包丁にも注意が必要です。ご家庭の包丁も同じですが、刃こぼれが原因となって異物混入が発生してしまうのです。

包丁は、塩素系の洗剤や漂白剤を利用して洗浄することが刃こぼれの原因となります。包丁の殺菌などを塩素系の漂白剤で行うと、包丁の刃に小さな穴が開いてしまい使用中に刃こぼれなどをおこし、異物混入事故の原因となることがあるのです。また、出刃包丁など、サビやすい包丁に関しては、塩分が強いもの、酸性のものを切った時にはすぐに洗って水を拭き取ることを徹底しましょう。なお、食品工場などで使用する包丁に関しては、原則として取手が木製でないものを使用しましょう。木製の取っ手の場合、経年劣化で木片が出てしまう可能性があります。

食品工場や飲食店などの異物混入を防ぐためには、取手と刃が一体となったステンレス製の包丁がオススメです。このタイプであれば、包丁の差し込み部分などもなくなりますので、非常に衛生的に使用することができます。

まな板の注意点

木製のまな板というのは、吸水性があるため、雑菌などが繁殖しやすくなります。さらに、使用することで傷が入りやすく、食材に木片が付着してしまうリスクが高くなるため、使用はオススメできません。

異物混入を防ぐためには、水分を吸収しにくく、雑菌が繁殖しにくいプラスチック製のものが一般的です。最近では抗菌作用のあるプラスチック製まな板も登場していますので、そういったタイプを選ぶのが良いでしょう。また、色がついているまな板を選択しておけば、「肉を切る時は青いまな板」「野菜は赤色のまな板」など、使分けることができるようになり、食品の交差汚染を防ぐことにも役立ちます。

その他の道具について

食品を取り扱う施設ではその他にもたくさんの道具が使用されています。例えば、ざるに関しては、プラスチック製のものを使用すると欠けることで異物混入の危険がありますし、網ざるの場合は網と網の継ぎ目に食品カスが詰まりやすくなり、不衛生になってしまう可能性もあります。したがって、網目がパンチ穴になっているステンレス製のざるを使用するなどの工夫が必要です。

他には、使用した調理器具などを洗浄する『たわし』にも注意する必要があるでしょう。通常のたわしは毛が抜け落ちることで異物混入の原因となります。また、頑固な汚れを落とす目的で使用される金属製のたわしは、非常に細かい金属片が出てしまう可能性がありますので、細心の注意を払う必要があるでしょう。

欠けやすい器具を利用する場合はどうする?

施設内で使用する調理器具は、簡単にそのもの自体を入れ替えることもできますが、使用している設備によっては備品であることから、やむを得ず使用しなければならない…といったケースも少なくありません。そういった場合には、毎日作業開始前に行う点検項目に入れて、交換時期を逃さないようにするなどの対策を行うと良いでしょう。
毎日点検を行うことで、いつ割れや欠けが発生したのかもわかりますし、製品の出荷前に異物混入に気付くことができるようになるはずです。

まとめ

今回は、食品工場や飲食店などにおいて、意外と身近にある異物混入ポイントをご紹介してきました。食品を取り扱う施設であれば、「絶対に異物混入事件を起こしてはいけない」という考えのもと、普段から非常に厳しい衛生管理や品質管理体制を整えていることだと思います。

食品工場などであれば、施設の建設時点で「清掃がしやすい工場」をコンセプトとして建設を進めたり、虫が発生しないようにゴミ集積場に工夫を凝らすなど異物混入を防ぐためのさまざまな対策を行っていると思います。しかし、意外と見落とされがちなのが、実際の調理に使用する細かな器具たちなのです。この記事でご紹介した以外にも、毎日使用する調理器具が異物混入の原因となってしまう危険もあるかと思いますので、今一度施設内で使用する調理器具の安全性を確認してみてはいかがでしょうか?

三和建設の食品工場トータルソリューションブランドFACTAS®では、食品工場や衛生管理に関する様々な情報を発信しています。ぜひそちらもご覧ください。