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危険物の取り扱いを行う場合に知っておきたい『保有空地』や『保安距離』の基礎知識

2020.12.28お役立ち情報

今回は、危険物の保管を行う危険物倉庫などで、絶対におさえておきたい『保有空地』の基礎知識をご紹介していきたいと思います。

危険物とは、消防法で定められている「火災を発生させやすい物質」の総称です。そして、こういった危険物を保管したり取り扱ったりする施設については、万一の火災時などに周辺の建物に影響をあたえないため、『保有空地』と呼ばれる何もない空間を設けることが定められています。

そこでこの記事では、危険物倉庫における『保有空地』の基礎知識を簡単に解説していきたいと思います。

危険物の『保有空地』とは?

それではまず「そもそも危険物の保有空地とは?」について簡単にご紹介していきましょう。冒頭でご紹介したように、危険物は消防法で定められている『火災を発生させやすい物資』の総称です。身近なものでは、ガソリンや軽油、灯油なども危険物に指定されており、皆さんもこれらの物質が火に触れると大きな火災に発展してしまう…ということは分かると思います。したがって、これらの危険物の保管・取り扱いを行うような施設では、常に細心の注意を払わなければいけません。しかし、定められた方法をしっかりと守っていたとしても、人為的ミスや災害などで火災が発生してしまう可能性は残ってしまいます。

保有空地は、万一火災が発生した場合でも、周辺の建物や木々などに火が燃え移らないよう確保しておかなければならない空地のことを指しています。また、消防隊などがスムーズに消火活動を行えるようにするための空地も保有空地と呼ばれます。
つまり、危険物倉庫などは、危険物を安全に取り扱うことだけを考えるのではなく、万一の事態も想定して、このような空間を確保しなければならないと決められているのです。なお、危険物の保管や取り扱いを行う施設は、特定の建物から一定の距離を取らなければならないとされているものもあり、この距離は『保安距離』と呼ばれます。

保有空地を設けなければならない施設とは?

危険物の保管や取り扱いを行う施設もさまざまなものがあります。ここでは、危険物の保有空地を設けなければならないと定められている施設について簡単にご紹介しておきます。

保有空地が必要な施設

以下のような施設は保有空地を設けなければいけません。

  • 製造所
  • 屋内貯蔵所
  • 屋外貯蔵所
  • 屋外タンク貯蔵所
  • 一般取扱所
  • ​簡易タンク貯蔵所
  • 移送取扱所

保有空地を設けなければならない施設の代表例は上記のような施設です。
ちなみに、それぞれの施設については、製造所や貯蔵所はその名称から分かるように、危険物を製造したり貯蔵しておくための施設です。タンク貯蔵所については、危険物を入れる専用のタンクを用意して、その中に貯蔵しておく施設のことを指しており、危険物を容器に入れたまま保管・取り扱いする貯蔵所とは少し違うので混同しないようにしましょう。一般取扱所は、街中でよく見かけるガソリンスタンドのことを指しています。

これらの施設では、仮に事故などで火災が発生した場合でも、被害を最小限に抑えるため保有空地を確保しなければならないと定められています。

保有空地のルールについて

危険物の保有空地についてはある程度分かっていただけたと思います。それでは、この保有空地に関して、「どの程度の幅をとらなければいけないのか?」という部分についても簡単に解説していきます。保有空地は、危険物の指定数量によってその規模が変わってきますので、基本的なルールをおさえておきましょう。

保有空地のルール

危険物の指定数量も消防法に定められています。これは、危険物ごとに決められている数値で、指定数量以上の危険物を保管・取り扱いする場合は、危険物取扱者の資格が必要と定められています。
保有空地については、「保管する危険物の量が、指定数量の10倍未満の場合・・・幅3m以上の空地が必要」「10倍以上の場合・・・幅5m以上の空地が必要」などと決められています。なお、複数の危険物を保管する場合は、危険物の量を指定数量で割った数を全て足して、それが『10』より大きいか小さいかで幅が決まります。
保有空地は、そこに何も置いてはいけません。それなりの敷地になりますので、駐輪場に使いたい…などと考えてしまう方が多いのですが、それもNGです。火災はいつ発生するか分かりませんので、何も置かないようにと決められています。

『保安距離』について

最後に『保安距離』についても簡単にご紹介しておきます。『保有空地』と『保安距離』を混同してしまっている方もいるかもしれませんが、保安距離とは、危険物を保管している建物から一般住宅や特別高圧架空電線・高圧ガスの貯蔵所、病院や学校などの施設までの距離を指しています。これらの施設は、火災による延焼がおきた際、非常に大きな被害が出やすいため、危険物を保管している建物と隣接させてはいけないとされています。
保安距離が必要な建物は以下のような物です。

  • 製造所
  • 屋内貯蔵所
  • 屋外貯蔵所
  • 屋外タンク貯蔵所
  • 一般取扱所

保安距離は、保安対象物ごとに定められており、最も短いもので特別高圧架空電線(7,000V超~35,000V)で3m、最も長いもので重要文化財などで5mと決まっています。

まとめ

今回は、危険物を保管する施設の保有空地や保安距離の基礎知識についてご紹介してきました。危険物は、「火災を発生させやすい物質」の総称で、どれだけ注意して取り扱いを行ったとしても火災リスクをゼロにすることはできません。そのため、こういった危険物を保管・取り扱いする場合には、万一の火災時でも、周辺に影響を及ぼさないようにしなければいけないのです。
危険物の保管・取り扱いを行う場合には、必ずおさえておきましょう。