新築で倉庫の建設を検討している方がおさえておきたい土地に関する注意点!
投稿日:2020.11.01 
更新日:2025.09.03 
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												今回は、新しく倉庫を建てようと考えている方が、おさえておかなければならない注意点について簡単にご紹介します。
新築で倉庫の建設を検討している場合、自身が所有している土地であれば、自由に倉庫建設を進めることができると考えている方は多いのではないでしょうか?しかし、自分の土地だとは言え、勝手に倉庫を建てることできません。実は、新築で倉庫を建てる際には、法律的な規制なども関係するため、広い土地さえあれば、自分の思い通りに建設を進めることができるわけではないのです。
そこでこの記事では、新築倉庫の建設を検討中の方が注意すべき『用途地域』についてご紹介していきます。
Contents
土地は用途地域が決まっている
土地活用を始める前に理解しておかなければならない基礎知識が『用途地域』です。都市計画法で「住居系」「商業系」「工業系」の3つに大きく分けられており、その3つの地域をさらに13種類の地域に細分化されています。
これは、それぞれの土地利用方法を定めて、建物の用途や高さなどの規模を制限することで、無秩序な土地開発を防ぐことが目的で、国土交通省では以下のような説明がなされています。
●用途地域
都市における住居、商業、工業といった土地利用は、似たようなものが集まっていると、それぞれにあった環境が守られ、効率的な活動を行うことができます。しかし、種類の異なる土地利用が混じっていると、互いの生活環境や業務の利便が悪くなります。
そこで、都市計画では都市を住宅地、商業地、工業地などいくつかの種類に区分し、これを「用途地域」として定めています。
引用:国土交通省「みんなで進めるまちづくりの話」より
ここでは、都市計画法によって定められている、3種類の用途地域を簡単に解説していきます。
住居系
まずは『住居系』からです。住居系は、「住むこと」に重点を置いて分けられている地域です。もともと7種類に分けられていたのですが、2018年4月1日に改正された都市計画法の施行に伴い、『田園住居地域』が新たに追加されました。住居系の分類は、以下のようになっています。
- 第一種低層住居専用地域
 - 第二種低層住居専用地域
 - 第一種中高層住居専用地域
 - 第二種中高層住居専用地域
 - 第一種住居地域
 - 第二種住居地域
 - 準住居地域
 - 田園住居地域
 
住居系は上記のように分けられており、基本的に上に記載しているものの方が規制が厳しくなっています。また、第一種と第二種がある用途地域においては、第一種の方が規制が厳しくなっています。それぞれの用途地域の詳細については、国土交通省「みんなで進めるまちづくりの話」でご確認ください。
商業系
次は、商業系の用途地域を見ていきましょう。商業系の用途地域には以下の2つに分類されています。
- 近隣商業地域
 - 商業地域
 
商業系の用途地域は、店舗や事務所、娯楽施設など幅広い建築ができます。ただし『近隣』がつくかつかないかでかなりの違いがあるので注意しましょう。近隣商業地域の場合、日用品の買い物ができる商店街などをイメージしていただければわかりやすいです。小規模な工場なども建てられますが、住環境に悪影響をあたえそうな飲食店や風俗関係の店舗は建設できません。これが商業地域になると、大きな繁華街といったイメージで、商業施設を中心とした地域となり、さまざまな用途の建物を建てることが可能です。ただし、大きな工場や危険度の高い工場は建てることができません。
参考:国土交通省「みんなで進めるまちづくりの話」
工業系
最後は、工業系の用途地域です。工業系の用途地域は、以下の3種類に分類されます。
- 準工業地域
 - 工業地域
 - 工業専用地域
 
工業系の用途地域は、いずれも工場や倉庫を建設しやすい地域となります。なお、「準工業地域⇒工業地域⇒工業専用地域」の順に規制が厳しくなり、工業専用地域においては、すべての用途地域の中で、唯一住宅が建てられない地域になります。
倉庫建設前に用途地域を調べなければいけない
土地というものは、上記のような用途地域が決められていますので、自身の土地だからと、なんでも建設しても良いわけではないのです。したがって、新築で倉庫建設を検討している場合には、まずその土地の用途地域を調べなければいけません。
用途地域の調べ方は、自治体の役所に足を運び、都市計画図を閲覧することで確認できます。最近では、「〇〇市(建設を予定している市町村) 用途地域」などのキーワードで、インターネット検索をすれば、用途地域を色分けした地図情報がヒットすることもありますので、まずはネット検索してみるのも良いかもしれません。
用途地域と建設可能な倉庫について
それでは次に、用途地域と建てられる倉庫の関係について簡単にご紹介しておきます。一口に『倉庫』と言っても、それぞれの物件によって使用目的は異なると思います。実は、倉庫の使用目的によって、同じ用途地域でも建てられるものと建てられないものがあるのです。
倉庫業倉庫として使用する場合
貸事業者として事業を営んでいる方が、顧客の物品を保管するための倉庫として使用する場合です。
この場合は、住居系の『準住居地域』、さらに商業系及び工業系の地域であれば建設可能となります。住居用の地域では、ほぼこの使用目的の倉庫は建てることができませんので注意してください。
建設ができる用途地域
- 準住居地域
 - 近接商業地域
 - 商業地域
 - 準工業地域
 - 工業地域
 - 工業用地域
 
▼営業用倉庫と倉庫業法については以下の記事もご参考ください。
営業倉庫とは?自家用倉庫との違いと倉庫業法について解説
自家用倉庫として使用する場合
自家用倉庫とは「倉庫の所有者・使用者が、自ら荷物を保管・管理する目的で使う倉庫」のことを指しています。企業の場合は、営業倉庫と比べるとコストを抑えて利用することが可能なため、敷地内に併設していることも多いです。
自家用倉庫を建てられる用途地域は以下の通りとなります。
建設ができる用途地域
- 第二種住居地域
 - 準住居地域
 - 近接商業地域
 - 商業地域
 - 準工業地域
 - 工業地域
 - 工業用地域
 
条件付きで建設ができる用途地域
- 第二種中高層住居専用地域(条件:2階以下かつ1,500㎡以下)
 - 第一種住居地域(条件:3,000㎡以下)
 - 田園住居地域(条件:農産物および農業の生産資材を貯蔵するための倉庫)
 
まとめ
今回は、新築倉庫の建設をご検討中の方がおさえておかなければならない『用途地域』に関する基礎知識をご紹介してきました。この記事でご紹介したように、日本国内の土地は、無秩序な土地開発を防ぐことを目的に土地ごとの用途地域が定められており、土地によって建てられる建物に制限が設けられています。
したがって、自分が所有している土地だからと言って、好きな建物を建てることはできません。倉庫の建設を検討した場合には、まずはその土地の用途地域を調べて、建設が可能かどうかを調査する必要があると覚えておきましょう。なお、倉庫の使用用途によっても同じ用途地域で建てられる倉庫と建てられない倉庫が違ってしまいますので、その辺りも注意して確認しましょう。
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