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冷凍食品工場では何が行われている?現代人の生活を支える冷凍食品の秘密

2020.01.10お役立ち情報

今や私たちの生活に必要不可欠と言っても良い『冷凍食品』ですが、皆さんは自分で冷凍した食材とスーパーやコンビニなどで購入する冷凍食品の味の違いに疑問を持ったことはありませんか?

さまざまな家電製品が登場している現在では、購入した食材や食べきれなかった料理を冷凍保存しておくという行為は誰もが経験したことがあるでしょう。しかし、自分で冷凍した食材は、冷凍焼けをしてしまったり、食感が悪くなって味が落ちてしまうことも珍しくないので、一度冷凍庫に入れられた食品を嫌う人は少なくありません。ここで不思議に思うのは、コンビニやスーパーなどで販売されている冷凍食品に関しては、いつまでたっても作りたてのような美味しさを保っていることです。特に近年では、年々冷凍食品がおいしくなっているとも言われており、何も言われずに食卓に並べば冷凍食品と気付くことすらできないようなクォリティーになっています。

それでは、冷凍食品工場などで作られる冷凍食品は、どのようにして食材の美味しさを保っているのでしょうか?今回は、現代人の生活を支える冷凍食品の秘密についてご紹介します。

なぜ冷凍食品は美味しいのか?

コンビニやスーパーなど、どこでも手軽に手に入れられる冷凍食品は、電子レンジで温めるだけですぐに食べることができます。しかも、最近の冷凍食品は、レンジで温めるだけなのに本当においしい食事になります。それでは、自分で冷凍した食材は美味しさが落ちるのに、冷凍食品が解凍しても美味しく食べられるのはなぜなのでしょうか?

『凍結⇒解凍』の工程で味が落ちる理由は?

それではまず、家庭の冷凍庫などで食べ物を凍結した際に、味が落ちた…と感じてしまう理由から簡単にご紹介しておきましょう。家庭で食品を凍結した際に、味が落ちてしまう理由は食品に含まれる水分が関係しています。あまり意識したことが無いと思いますが、皆さんが普段口にしている食べ物は多くの水分を含んでいます。肉や魚で重量の7割程度、野菜や果物となると8~9割の水分量となるのです。

食品の凍結は、こういった食品に含まれる水分を凍らせるという技術になります。そして、食品を凍結した際には、凍結によってできる氷結晶によって細胞膜が破壊されてしまうことになり、解凍した時に細胞膜から水分と一緒にうまみ成分が流れ出てしまうそうなのです。したがって、一般家庭で『凍結⇒解凍』という工程を経ると、本来食材が持っていたはずの『うまみ』の多くが流出してしまい味が落ちてしまう訳です。

冷凍しても美味しさを保つには?

それでは、食材の美味しさを保ったまま、冷凍保存するためにはどうすれば良いのでしょうか?その答えは、『短時間で』『できるだけ均一に』凍らせることが非常に重要だと言われています。

上述したように、凍結によって食品の味が落ちるのは、「氷結晶が細胞膜を破壊する」ことだと言われています。通常、食材に含まれる水分が凍結するのは『-1℃~-5℃(最大氷結晶生成温度帯)』の温度帯と言われており、一般家庭での凍結では、この温度帯をゆっくりと通過するため、氷結晶も大きくなってしまいます。しかし、冷凍食品を作る工場などでは、最新の急速凍結技術が導入されており、一気にこの温度帯を通過させることができるのです。

したがって、工場で作られる冷凍食品は、うまみ成分をきちんと閉じ込めて、解凍しても味が落ちない状態にすることができるのです。

食材の美味しさを保つ急速凍結技術とは?

それでは最後に、冷凍食品工場などで活躍している急速凍結技術をいくつかご紹介しておきましょう。急速凍結とは、その名称通り、「急速に凍結させる」技術となります。しかし一口に急速凍結と言っても、いくつかの種類が存在します。

プロトン凍結

まずは『プロトン凍結』と呼ばれる凍結技術からです。プロトン凍結は、「磁石と電磁波に冷風を融合」させた急速凍結技術となっています。
プロトン凍結の特徴は、冷風による素早い冷却に加えて、磁石と電磁波が氷の結晶それぞれに働きかけ、氷の結晶が大きくならないようにサイズをコントロールできると言われています。つまり、氷結晶が大きくならないことにより食品の細胞破壊を防ぐことができるのです。そのため、凍結によって食品ダメージを受けやすいと言われているイワシやマグロ、イセエビなどの繊細な魚介類も冷凍保存することが可能と言われており、なんと解凍した後でも刺身で食べられるほどの鮮度を保つことができると言われています。

参考記事:凍結技術にも種類がある!最新の急速凍結技術『プロトン凍結』がスゴイ!

CAS凍結

『CAS凍結』は「Cells Alive Systems」の略で、食材に含まれる水分を調整することで細胞組織を壊さないまま凍らせることができる冷凍技術です。
CAS凍結は、過冷却という現象を応用した冷凍技術です。通常、水は0℃以下になると氷になるのですが、水分子が静かな状態では凍らない状態となり、これを『過冷却』と言います。この過冷却の状態に、少しの衝撃を与えると一気にその場所から凝固が始まり固体に変化するのです。

CAS凍結は、過冷却の状態のまま、食材の中心部分まで温度が下がり切ったら、電流や磁石によって衝撃を与え、一気に凍らせる技術となります。こうすることで、食材の中にできる氷結晶を最小限に抑え、細胞膜を傷つけることなく凍らせることができるため、美味しさが保てるのです。

参考:株式会社 アビー公式サイト

液体凍結

液体凍結は、マイナスの温度帯に冷やした液体に、パックした食品を漬けて急速に凍らせる技術です。プロトン凍結やCAS凍結はエアーブラスト式の凍結技術となるのですが、液体凍結の場合はより直接的に凍らせることができるため凍結スピードが非常に早くなるのが特徴です。さらに、食材の熱を360度同じように奪っていきますので、凍結ムラがほとんど生じないのも大きなメリットと言われています。
ただし、液体凍結技術は、凍らせる食材を脱気パックしますので、デコレーションケーキのような型崩れに対してデリケートな食材の凍結には向いていません。

まとめ

今回は、どんどんおいしくなっていると言われている冷凍食品の秘密についてご紹介してきました。本稿でご紹介したように、食材を凍結するときには食品に含まれる水分が凍ることで出来る氷結晶によって細胞が壊されることにより食品の味が落ちてしまうのです。
しかし、日本の凍結技術の進化により、現在では、作り立ての料理をそのままの姿と美味しさを保ったまま凍結できるような時代になっています。最近では、冷凍食品専門のレストランが登場しているなど、凍結技術の進化は今後もさらに進んでいくと考えられます。