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冷凍冷蔵庫設備は結露に注意!結露による弊害と防止対策をご紹介します!

冷凍冷蔵庫設備は結露に注意!結露による弊害と防止対策をご紹介します!

投稿日:2019.09.11 
更新日:2023.10.04 
お役立ち情報

ここでは、冷凍・冷蔵庫設備の天敵となる『結露』の基本知識についてご紹介します。『結露』は、一般住宅でも問題となるものですので、どのような建物においても一般の気象条件を想定し、結露を発生させないように壁材質や断熱材の厚さなどが規定されています。特に、冷蔵庫や冷凍庫、低温作業室が多く配置されることとなる食品工場や冷蔵倉庫などでは、屋外との気温差も大きくなることから、新築やリニューアルにかかわらず、建設計画段階から結露対策に細心の注意を払わなければならないと言われています。
しかし、結露が発生する原因を十分に把握していたとしても、思いもよらない場所で水たまりが発見されることも少なくありません。特に、低温区域が多数存在する食品工場や冷蔵倉庫では、些細なことでもトラブルの原因となりますので、結露を完全に防ぐことは非常に困難なことになるのです。
そこで本稿では、結露が発生した場合に考えられる弊害や、結露を極力防ぐための基礎知識についてご紹介します。

結露のメカニズムとその弊害

それではまず、結露のメカニズムについて簡単にご紹介します。結露は、普段の生活の中でも目にすることが多く、喫茶店などで冷たいドリンクを頼んだ時、コップの外側に水滴がついたり、冬の寒い日に室内側の窓ガラスに水滴がつく現象も結露です。一般論としては、床・壁・天井で区切られた空間同士において、それぞれの空間の温度差が大きくなった場合、高温側の空間に表面結露が発生するのです。

結露(けつろ)とは
固体状態における物質の表面、または内部で、空気中の水蒸気が凝縮する現象のことである。
例:温度20℃・湿度50%の室内における露点温度は、9.6℃であり、壁や窓などの表面が、9.6℃以下の場所で結露が発生する。
引用:wikipedia

つまり、結露は、暖かく湿気を含んだ空気が室外側(または室内側)から冷やされることで、暖かい空気に含まれる湿気(水蒸気)が凝縮してしまい、結露(水)にかわることで発生するのです。このメカニズムから考えると、低温区域が多い食品工場や冷蔵倉庫において、完全に結露を防ぐことがどれだけ難しいのか分かっていただけると思います。特にこういった施設では、結露が見つかってから対処するのでは、処置の仕方も限られてしまい、最適な結露対策をとれないばかりでなく、余計なコストがかかってしまう…などと言った恐れもあるのです。したがって、冷凍冷蔵庫設備を備える施設では、結露対策を十分に考慮した建設計画を立てる必要があると言えます。

結露による弊害とは?

それでは、食品工場や冷蔵倉庫などで結露が発生してしまった場合、「どのような弊害があるのか?」をご紹介しておきましょう。一般住宅でも結露は大きな問題ととらえられていますが、お客様の大切な商品を取り扱う食品工場や冷蔵倉庫では、一般住宅では考えられないほど広範囲に影響を及ぼす可能性もあるのです。

  • カビやダニを発生させる原因になる
    結露は、カビやダニを発生させる原因となってしまいます。カビやダニの繁殖は、そこで勤務する従業員の健康に悪影響を与えるだけでなく、製品への異物混入の原因ともなり、広範囲に多大な影響を与える可能性があります。
  • 内部結露によって施設に悪影響が…
    内部結露に気付かず放置してしまうと、外壁下地材や土台を腐らせてしまう事があります。また、シロアリが繁殖してしまう原因ともなりますので、建物の寿命を縮める危険性があります。
  • 凍上現象が生じてしまう
    冷凍冷蔵庫で発生した結露は、結露水が凍結し、次第に大きくなって構造体を破損させてしまう危険性があります。
  • 断熱性能が低下
    結露によって発生した結露水が断熱材に浸透してしまうと、建物の断熱性能が低下してしまう危険性があります。

結露が原因の水濡れにお悩みの方はこちらの記事も併せてご覧ください。
【工場の結露対策】冷蔵・冷凍庫で結露や霜が発生する原因と防止策

結露を防止するためにはどうすれば良い?

食品工場や冷蔵倉庫などにとって、どれほど結露が恐ろしいものなのかは分かっていただけたのではないでしょうか?冒頭でもご紹介しましたが、低温区域が多いこういった施設は、完全に結露を防ぐことは非常に難しいものです。しかし、難しいからと言って何の対策もしないという訳にはいきません。ここでは、一般的に言われる結露対策を簡単にご紹介しましょう。
どのような建築物かに関わらず、結露対策の基本となるのは、湿度と空間ごとの温度差をバランスよくコントロールすることだと言われています。したがって、施設の結露対策として以下のことを頭に入れておきましょう。

結露対策の基本!
  • 空間ごとの温度差をなるべくなくす
  • 適度な湿度を保つようにする(40%~50%程度)
  • 湿度を保つため、換気によって湿気を排出する
  • 室内の露点温度(結露し始める温度のこと)を下げる

結露対策の基本は上記のようなことです。もちろん、施設の構造や設置する設備によって必要な結露対策は異なりますので、建設計画段階できちんと結露対策を講じるようにしましょう。特に『換気』については、粗末に扱う建設業者も多いのですが、「湿度が高くなることを防ぐ」ことを考えた場合、結露対策で非常に重要になるのです。

RiSOKOが行った結露対策①

結露対策例

冷凍庫の前の通路・荷捌き場は、冷凍庫内とつながった床が冷やされて結露が発生しやすくなります。 そこで冷凍庫前の床には施工段階でフロアヒーターを敷設します。

RiSOKOが行った結露対策②

結露対策例

冷凍庫が建物の外部に接する場合、ALC等の外壁材の内側に断熱パネルを設置することで壁が二重になるケースがあります。このようなケースでは、二重壁内の空間の空気が滞留し結露しやすい状態になります。よって、結露が発生すことを前提に二重壁内の床面に排水溝を設けて結露水を外部に排出するディテールを採用します。

まとめ

今回は、食品工場や冷蔵倉庫の天敵である『結露』について、結露による弊害やその対策法をご紹介しました。本稿でもご紹介したように、結露は建物の寿命を縮めるだけでなく、異物混入の原因となるカビやダニの繁殖まで招いてしまいます。したがって、「たかが結露」などとは決して侮れるものではなく、「結露は事業の存続すら危険に晒すかもしれない非常に恐ろしいものだ」と認識しておいた方が良いでしょう。
特に、結露が発生してから対処しようとしても、取れる対策の範囲には限界がありますので、余計なコストばかりかかって、根本的な解決ができない…なんてことも考えられます。したがって、食品工場や冷蔵倉庫のように、低温区域が多数設置されると予想できる施設は、結露に関する専門的知識を有した建設会社などと計画段階から相談し建設することをオススメします。

冷蔵倉庫の施工事例はこちら
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