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物流センター立ち上げ・移転の際に重要な立地について解説

物流センター立ち上げ・移転の際に重要な立地について解説

投稿日:2024.02.18 
更新日:2024.03.18 
お役立ち情報

物流センターや物流倉庫と呼ばれる施設は、各企業の物流の中心的な役割を担う施設として、ますますその重要度が高くなっています。物流センターは、単に商品の保管を担うための施設として存在しているのではなく、他にも仕分けや配送の拠点となるなど、多様な物流業務を担うための施設として運用されています。

それでは、各企業の物流の中心施設となる物流センターの立地について、どのような条件を重視すれば良いのか考えたことはあるでしょうか?物流センターの立地については、どのような条件の場所を選ぶのかによって物流業務にかかるコストや手間が大きく左右されます。

そこで当記事では、物流センターの立ち上げや移転を検討した時に考えなければならない物流センターの立地に対する考え方や、最適な立地を選ぶためのポイントなどについて解説します。

関連:物流倉庫・物流センターの建設計画でおさえておきたい4つのステップと注意点!

物流センターの立地選びはさまざまな面に影響を与える

物流センターが一般的な倉庫と異なるのは、物品の保管を担っているだけではないという点です。物流センターは、物品の保管は当然として、その他にも入荷した商品の仕分けから出荷までを担う物流の拠点となる施設です。したがって、どこにあるのかという立地が物流ビジネスに大きな影響を与えます。

物流センターの立地は、特にコスト面に大きな影響を与えます。例えば、物流センターを建設する用地の坪単価は地域ごとに大きく変わります。同じ面積の物流センターを建設する場合でも、どこに建てるのかで、建設にかかるコストにも大きな差が生じます。

さらに、物流センターが完成してから、実際に施設を運用する場合を考えた時にも、仕入れ先と販売先、どちらの近くに施設を建設するのかで物流にかかるコストに大きな差が生じると考えられます。そのため、物流センターの立ち上げや移転を検討した際には、調達・搬入頻度などを考慮して、より物流コストがおさえられる立地を探すことが重要となります。
なお、物流センターの立地選びは、コスト面ばかりに着目し、使い勝手の悪い立地を選ぶと、物流効率が悪くなり業務に支障が生じるなど、本末転倒な結果を招く恐れがあるので、使いやすい施設になるのかという部分とのバランスも考慮して立地選びを進める必要があります。

物流センターの立地の考え方について

物流に関わるさまざまな業務を担う物流センターは、立地をどこにするのかが、保管コストや配送コストなど、さまざまなコストを左右する重要なポイントになります。それでは、物流センターの立地選びを進める時には、どのようなことを考えなければならないのでしょうか?

物流センターに適した立地にはさまざまな条件が考えられますが、最も基本となるポイントは「仕入先に近い立地(=生産立地型))」か「納品先に近い立地(=消費立地型)」かという二つの考え方です。ここでは、それぞれの特徴とメリットについて解説します。

生産立地型とは?

生産立地型は、物流センターの立地について、仕入れ先など、保管物品の調達先により近い立地を選ぶという考え方です。

納品先・販売先よりも仕入先の数が上回るケースや、農作物の保管など輸送コストが嵩みやすい場合に選ばれることが多い考え方です。生産立地型は、仕入れの際の配送コストを抑えることでトータルの物流コストを下げる狙いがあります。

生産立地型の物流センターは、対応する仕入先や生産者の窓口が多く、アパレル関連や部材関連の卸売業者、農協などに選ばれる場合が多いです。

生産立地型のメリット

生産立地型のメリットは、仕入れ先から物流拠点となる物流センターへの輸送コストが抑えられるため、物流全体のコストを削減できる点です。仕入先に近い立地の場合、直接仕入れ先に受け取りに行くことができ、仕入先の出荷の手間を省くことで、安く商品を仕入れることができたり、短時間で効率よく商品を集めることができます。仕入れ時の費用や手間、時間などのコストを抑えることができれば、物流全体のコストが大幅に削減できます。

消費立地型とは?

消費立地型は、生産立地型の逆で、納品先・販売先に近い立地を選ぶという考え方です。

仕入先よりも販売先の数が上回るケースや、コンビニやスーパーなど配送先が増加するなどの事態が起こりやすい業種に選ばれる場合が多いです。消費立地型は、販売先に近いことから、出荷や配送の手間を削減する、急な依頼でも配送スケジュールを柔軟に対応するなどの目的があります。

消費立地型は、主に食料品の卸売業や、日持ちしない加工品など日配品を取り扱うメーカーなどが選んでいます。

消費立地型のメリット

物流センターの立地を検討した時、消費立地型を選ぶ最大のメリットは、販売先の都合に合わせて臨機応変な配送を組めるという点です。例えば、何らかのトラブルにより、受注が遅れた場合でも、物流拠点が納品先に近ければ、時間内に配送を間に合わせることが可能になるかもしれません。スーパーやコンビニなど、一日に何度も配送しなければならない業種は消費立地型が向いているでしょう。

物流センターの立地選びのポイント

物流センターの立地を選ぶ際には、「生産立地型か、消費立地型か?」と言った二つの分類以外にもいくつかのポイントを確認しなければいけません。例えば、以下のような条件をチェックする必要があります。

  • 多くの物品を保管できるだけの広さを確保できるか
  • 建物を建設しやすい平たい土地であるか
  • 接している道路について、車両進入路に特に規制がないか
  • 大型トラックが通行できる幅の道路に面しているか、また交通状況的に多くのトラックが行き来できるか
  • 高速道路の出入り口や港・空港などへのアクセスが良いか
  • 従業員を集めやすいエリアか(公共交通機関からのアクセスなど)
  • 予算内の地価であるか

物流センターの立地は、自社の仕入先と配送先のバランスを考慮するだけでなく、上記のように、物流センターとしての使い勝手の面もしっかりと考えなければいけません。施設としての使い勝手を考慮しなければ、搬入・搬出がしづらい施設になる、アクセスが悪く余計なコストがかかる、働き手が集まらないなど、物流センターの稼働に悪影響が出る可能性があります。

この他にも、物流センターなどの大規模施設の建設は、「そもそも倉庫のような施設が立てられる場所か?」と言った法律上の制限なども確認する必要があります。日本国内の土地は、都市計画法により用途地域が分けられていて、どれほど物流センターに最適な立地だとしても、法律の規制で建てることができない地域もあるからです。倉庫建設と用途地域の関係性については、以前別の記事で解説していますので、以下の記事もご確認ください。

関連:新築で倉庫の建設を検討している方がおさえておきたい土地に関する注意点!

まとめ

今回は、物流センターの立地選びのポイントをご紹介しました。企業の経営戦略の中でも物流が非常に大きなウェイトを占めるようになった昨今では、物流センターと呼ばれる施設の存在感が年々増していると言われています。物流センターは、単に荷物の保管を担うだけでなく、入荷した商品の仕分けや梱包、出荷までと、物流に関わるさまざまな業務を担っています。

物流センターの立地は、施設の建設にかかるコストだけでなく、運用に入ってからの保管コストや配送コストなど、さまざまな面に大きな影響を与えます。したがって、物流倉庫の新設や移転を検討した時には、記事内でご紹介したようなポイントを考慮しながら最適な立地を選びましょう。

物流センターはもちろんの事、食品・医薬品物流センターの建設実績があるRiSOKOに是非ご相談ください。用地の検討段階からご相談可能です。

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