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物流倉庫の新設?物流拠点を集約するメリットとデメリットについて

物流倉庫の新設?物流拠点を集約するメリットとデメリットについて

投稿日:2021.04.03 
更新日:2021.10.06 
お役立ち情報

今回は、物流コストの削減などを目的として『物流拠点の集約化』をご検討中の事業者様に向けて、物流拠点を集約化することにどのようなメリットがあり、逆に何に注意すべきなのかを簡単にご紹介します。

物流業界では、「配送拠点を1つに集約することでコストを削減すべきだ」などという声をよく耳にします。しかし、その一方では、自然災害などによって物流業務がストップしてしまうリスクを考えた場合、『複数拠点』の形態を保つ方が安全だという声が根強く残っているのも事実です。

そこでこの記事では、「自社の拠点を集約すべきか?」と判断に迷っている方のため、拠点集約によるメリットとデメリットをご紹介していきます。

物流拠点集約のメリット

物流拠点の分散は、在庫管理などに手間がかかることや、無駄なコストがかかってしまうことなどがデメリットと指摘されており、拠点を集約してコスト削減を目指すという手法が注目されています。それでは、複数拠点を集約することにどのようなメリットがあるのでしょうか?

メリット① 倉庫管理にかかるコストを削減できる

従来は、複数に拠点があったほうが、コストが抑えられると考えられていました。例えば、輸送先が変更された場合でも複数の拠点があったほうが対応しやすいですし、1か所の拠点に何らかのトラブルが発生した場合でも、全体に及ぼす負荷が少なくなるなどと言った理由からです。

しかし近年では、物流拠点を集約したほうが、設備や人材にかかるコストがおさえられると考えられるようになっており、物流拠点の集約化が注目されています。特に首都圏などでは、1つの大型物流施設を建設するなど、拠点集約の需要が高まっていると言われています。

メリット② 無駄な転送が減り、配送効率が向上

複数拠点の場合、配送効率が低下すると言われています。これは、一つの拠点で積み込む量が少なくなってしまい、横持ちする必要があるからだと言われています。『横持ち』は、「最短距離で搬送するのではなく他の場所を経由し、寄り道をしながら配送をすること」を指しています。物流拠点間の輸送は『横持ち』の一種となり、拠点が多ければ多いほど、横持ちが増えてしまいます。

しかし、物流拠点を一つに集約すれば、横持ちが不要になり、在庫の把握なども容易になることから、配送効率が向上すると言われています。

メリット③ 在庫の把握が容易になる

複数拠点の場合、どうしても在庫の把握が難しくなり、在庫量が増加してしまうと言われています。これは、それぞれの拠点ごとの担当者に在庫管理の方法が任されるためで、社内ルールなどを作って在庫管理をしようにも、他の拠点の在庫を目で確認することができないため、どうしても不透明性が生じてしまうことが原因です。

拠点を一つに集約することは、こういった在庫の不透明性を無くし、在庫量の把握が容易になる事から、無駄な在庫の削減に繋がります。

物流拠点集約のデメリット

それでは次に、拠点を集約化する場合のデメリット面も見ていきましょう。上記のように、拠点の集約化はさまざまなメリットが存在するのですが、いくつかの注意点もありますので、そのポイントはおさえておかなければいけません。

デメリット① リスク分散が難しい

物流拠点を一つに集約する場合は、その拠点で何らかの問題が生じた際に受ける被害が大きくなってしまいます。

例えば、地震や大型台風などの自然災害により拠点の機能が停止してしまうような被害が出てしまうと、物流業務全体に甚大な支障が生じてしまうことになります。したがって、BCP対策の観点からすれば、物流拠点の集約化はあまり望ましくないと考えられます。
他にも、首都圏など、競合の多いエリアでは、倉庫内作業員の取り合いが発生してしまい、人件費が高騰してしまうリスクも考えられます。

デメリット② リードタイムが伸びる

物流拠点を集約した場合、納品先との距離が長くなってしまうことから、リードタイムが伸びてしまうという問題が生じます。したがって、リードタイムが伸びてはいけない食品などを取り扱う場合、拠点は集約しない方が良いとされています。

他にも、物品そのものには問題がない場合でも、納品先の要望などからリードタイムを短縮しなければならない場合も考えられます。さらに、リードタイムが長くなると、配送費が高くなってしまいます。配送費は、物流コストの大部分を占めていますので、これも大きなデメリットと考えられるでしょう。拠点の集約化は「在庫管理などにかかる無駄なコストを削減できる」というメリットがあるのですが、配送費が上がってしまうと、逆に全体のコストが高くなってしまう可能性も考えられます。

物流拠点の集約化は、上記のようなメリットとデメリットを比較し、自社が取り扱う物品などからどちらの要素が大きいのかを慎重に検討しなければいけません。

まとめ

今回は、物流拠点の集約化にどのようなメリットがあるのかをご紹介してきました。この記事でご紹介したように、複数の拠点を一つに集約することで、設備費や人件費を削減できるほか、横持ちが減り配送効率の向上が見込めるなど、拠点の集約化にはさまざまなメリットが存在すると言われています。

しかし、諸外国と比較して、地震や台風などの自然災害が多い日本では、災害時に物流がストップしてしまう…ということを考えると、大きなリスクを抱えてしまう可能性があるということを忘れてはいけません。実際に、2011年に発生した東日本大震災を経験した現在では、1箇所に配送拠点を集約することはリスクマネジメントの観点からあまり好ましくないと考える方も増加していると言われています。

現在、物流拠点の集約化を検討している事業者様は、メリット面だけを見るのではなく、どういったデメリットがあるのかも考慮して検討しましょう。

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