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倉庫の種類と倉庫建設の流れ

倉庫の種類と倉庫建設の流れ

投稿日:2023.07.10 
更新日:2024.04.26 
お役立ち情報

保管物品が多様化している現在は、商品の品質を守るため、保管物品に合わせた機能を持つ多種多様な倉庫が求められています。特殊倉庫建設を得意とするRiSOKOへのご相談も増えています。

そこで当記事では、倉庫業法で定められている倉庫の種類とそれぞれの倉庫で保管できる物品などについて解説します。また、記事の後半では一般的な倉庫建設の流れについても解説します。

 

倉庫業法によって倉庫の種類が決められている

倉庫は「営業倉庫」と「自家用倉庫」に分けられ、営利目的で使用する場合は営業倉庫が活用されます。そして、営業倉庫は、倉庫の特徴や保管する物品によってさらにいくつかの種類に分類されています。

  • 一類倉庫
  • 二類倉庫
  • 三類倉庫
  • 野積倉庫
  • 水面倉庫
  • 貯蔵槽倉庫
  • 危険品倉庫
  • 冷蔵倉庫
  • トランクルーム
  • 特別の倉庫

それぞれの倉庫の特徴を以下で簡単にご紹介します。なお、保管物品の種類については、倉庫業法施行規則内で以下のように分類されています。

別表
第一類物品 第二類物品、第三類物品、第四類物品、第五類物品、第六類物品、第七類物品及び第八類物品以外の物品
第二類物品 麦、でん粉、ふすま、飼料、塩、野菜類、果実類、水産物の乾品及び塩蔵品、皮革、肥料、鉄製品その他の金物製品、セメント、石こう、白墨、わら工品、石綿及び石綿製品
第三類物品 板ガラス、ガラス管、ガラス器、陶磁器、タイル、ほうろう引容器、木炭、パテ、貝がら、海綿、農業用機械その他素材及び用途がこれらに類する物品であつて湿気又は気温の変化により変質し難いもの
第四類物品 地金、銑鉄、鉄材、鉛管、鉛板、銅板、ケーブル、セメント製品、鉱物及び土石、自動車及び車両(構造上主要部分が被覆されているものに限る。)、大型機械その他の容大品(被覆した場合に限る。)、木材(合板及び化粧材を除く。)、ドラムかんに入れた物品、空コンテナ・空びん類、れんが・かわら類、がい子・がい管類、土管類、くづ鉄・くづガラス・古タイヤ類等野積で保管することが可能な物品
第五類物品 原木等水面において保管することが可能な物品
第六類物品 容器に入れてない粉状又は液状の物品
第七類物品 危険物(消防法第九条の四第一項の指定数量未満のものを除く。)及び高圧ガス(高圧ガス保安法第三条第一項第八号に掲げるものを除く。)
第八類物品 農畜水産物の生鮮品及び凍結品等の加工品その他の摂氏十度以下の温度で保管することが適当な物品
引用:倉庫業法施行規則

一類倉庫

一類倉庫は、別表に掲げる第一類物品、第二類物品、第三類物品(第七類物品を除く。以下同じ。)、第四類物品(第七類物品を除く。以下同じ。)、第五類物品又は第六類物品(第七類物品を除く。以下同じ。)を保管する倉庫とする。
引用:倉庫業法施行規則

一類倉庫は、普通倉庫の中で最も厳しい設備基準を満たした倉庫で、「建屋型営業倉庫」とも呼ばれます。この倉庫は、防湿、耐火、防火などの性能を備えている必要がある他、防犯設備や鼠害防止設備なども設置しなければいけません。ただ、設備要件が厳しく倉庫としてのスペックが高いため、多くの種類の物品や貨物を保管することができます。なお、危険物や摂氏10度以下の物品、高圧ガスの保管は対象外となります。

二類倉庫

二類倉庫は、別表に掲げる第二類物品、第三類物品、第四類物品、第五類物品又は第六類物品を保管する倉庫とする。
引用:倉庫業法施行規則

二類倉庫は、一類倉庫よりも施設設備要件が若干緩和されていて、耐火性能を必要としない倉庫です。そのため、保管物品は、主にガラス類やセメントなどとなり、燃えやすい保管物品は対象外となります。

三類倉庫

三類倉庫は、別表に掲げる第三類物品、第四類物品又は第五類物品を保管する倉庫とする。
引用:倉庫業法施行規則

三類倉庫は、さらに施設設備要件が緩和された倉庫で、一類倉庫で定められている施設設備要件のうち、「防水性能、防湿性能、遮熱性能、耐火性能、鼠害防止性能」を省いた倉庫となります。そのため、湿度に弱い物品の保管はできません。

三類倉庫の主な保管対象物品は、陶器やガラス類、タイルなど、湿気に耐性がある物品となります。

野積倉庫

野積倉庫は、別表に掲げる第四類物品又は第五類物品を保管する倉庫とする。
引用:倉庫業法施行規則

野積倉庫は、建物で保管する倉庫ではなく、柵や塀で囲まれた区画の保管施設です。倉庫がある区画は、柵や塀に囲まれ、防犯のための照明設備や消火設備などを設けなければいけません。建物の屋上を野積倉庫として用いる場合、床の強度が一定の基準に達していること、屋上から保管物品が落下しないような措置が求められます。

野積倉庫では、鉱物や土石、木材や廃タイヤなど、雨風、日光にさらされても問題のない物品が保管されます。

水面倉庫

水面倉庫は、別表に掲げる第五類物品を保管する倉庫とする
引用:倉庫業法施行規則

水面倉庫は、名称から分かるように水面上で木材などを保管するための施設です。別名で「水面貯木庫」や「貯木庫」などとも呼ばれています。水面上で木材を保管するため、木材の乾燥を防ぐことができるというメリットがあります。
なお、水面倉庫は、木材が流出するのを防ぐための措置や防犯上有効な照明設備の設置が必要です。

貯蔵槽倉庫

貯蔵槽倉庫は、別表に掲げる第一類物品及び第二類物品のうちばらの物品並びに第六類物品を保管する倉庫とする
引用:倉庫業法施行規則

貯蔵槽倉庫は、袋や容器に入っていない小麦、大麦、トウモロコシなどの穀物や糖蜜などの液体を保管するための倉庫施設です。主にサイロやタンクなどが該当します。

危険品倉庫

危険品倉庫は、別表に掲げる第七類物品、危険物(消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第二条第七項の危険物をいう。同表において同じ。)(同法第九条の四第一項の指定数量未満のものに限る。)又は高圧ガス(高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第二条の高圧ガスをいう。同表において同じ。)(同法第三条第一項第八号に掲げるものに限る。)を保管する倉庫とする
引用:倉庫業法施行規則

危険品倉庫は、消防法で定められる危険物や高圧ガスなどを保管するための倉庫施設です。そのため倉庫に求められる設備基準が非常に厳しく、防火性能、防水性能、防湿性能を備えたうえ、倉庫の周囲に柵や塀、鉄条網などの防護設備や防犯装置の設置などが必要とされます。

また、通常の保管施設とは異なり、保管物品の種類によって、消防法、高圧ガス保安法、液化石油ガスの確保および取引の適正化に関する法律など、必要な法定要件を満たさなければいけません。

冷蔵倉庫

冷蔵倉庫は、別表に掲げる第八類物品を保管する倉庫とする
引用:倉庫業法施行規則

冷蔵倉庫は、水産物や畜産物、農産品などの生鮮食品や冷凍加工食品を保管するための施設で、10℃以下の低温で保管する貨物に対応した倉庫を指しています。

施設設備要件としては、常に10℃以下の温度をキープできるような設備の他、内部と外部で連絡を取るために通報機などの設置が必要です。冷蔵倉庫の設備要件については、以前別の記事でご紹介していますので、そちらもご覧ください。

関連:【冷蔵倉庫の施設設備基準とは】冷蔵倉庫建設のために知っておきたいポイントをご紹介!

倉庫建設の大まかな流れ

それではここから、倉庫建設を計画した場合、建設会社へ問い合わせをしてから実際に着工するまでの大まかな流れをご紹介します。実際の流れについては、倉庫建設を依頼する建設会社によって、多少の違いはあるかと思いますが、基本的に以下の流れで進むはずです。

  • 建設会社に問い合わせする
  • 計画や要望のヒアリング
    建設会社の担当者が、倉庫建設計画の聞き取りを行います。(目的、予算、納期など)
  • 倉庫立地計画
    新たに倉庫を建設する場合、立地計画を立てます。現地を訪れ、倉庫を建てる用地を確認することもあります。その他、自然立地条件やインフラ条件の確認、必要な広さや高さ、生産方式、人員確保、作業員の通勤条件など、さまざまな面の確認をします。
  • 基本計画・関係法令確認
    基本計画は、建物の間取りやゾーニング、動線や設備の配置などについて、大まかなイメージを決め、関連法令を確認しながら計画をし建物の配置やボリュームを決定していきます。。そして、その基本計画をもとに、建物構造や導入する設備、間取りや外観デザインなどについて、簡易的な設計を行います。
  • 概算お見積りの確認・設計契約
    基本計画をもとに概算工事費の見積りが作成されるので確認します。
  • 基本設計・実施設計・確認申請
    見積り内容に問題が無ければ、設計契約を締結し基本設計及び実施設計に移ります。基本設計は配置、平面、立面、断面図や構造、設備等の一般図面の作成。実施設計は、各部の詳細を定めた設計で、平面や断面詳細図など各部の詳細設計図の作成、構造や設備の計算書などが含まれます。
  • 本見積・工事契約
    実施設計をもとに本見積もりを行い、同意の上、工事契約を締結します。
  • 工事着工
  • 完成・引き渡し

倉庫建設は、依頼する建設会社によって多少の違いが生じるかもしれませんが、基本的に上記のような流れで計画が進みます。倉庫を建設する土地が決まっているのであれば、規模や立地条件(地盤など)にもよりますがトータルで1.5~2年ほどかかるのが一般的です。

まとめ

今回は、倉庫業法で定められている営業倉庫の種類や、実際に倉庫建設を進める際の流れについて解説しました。営利目的で使用される倉庫は、保管物品の特徴に合わせていくつかの種類に分類されています。これは、保管物品によって倉庫に求められる機能が異なるからというのが主な要因で、荷物を預ける荷主企業が不利益を被らないようにするためです。

また、どのような倉庫を建設するのかによって、関係する法律や、必要な設備や機能性が異なるので、倉庫建設にかかるコストや日数も変わります。特殊倉庫の建設は、複雑で、多岐にわたる法律が関わるため、倉庫建設の実績が豊富なRiSOKOにご相談ください。目的に合わせてスムーズで無駄のない倉庫建設をご提案いたします。

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