特殊倉庫とは?用途によってさまざまな機能性を持つ倉庫の特徴をご紹介!
投稿日:2021.08.20
更新日:2024.04.26
お役立ち情報
倉庫は、さまざまな物品を一時的に保管しておく施設のことを指しているのですが、一般の人からすると「倉庫=物を片付けておく場所」と言ったイメージを持ってしまうかもしれませんが、保管する商品によって倉庫にもさまざまな機能が必要とされます。わかりやすい例では、常温で保管していても劣化の心配が少ない家具などと、低温での保管が求められる冷凍食品では、倉庫に求められる機能は全く違ったものになります。
特殊倉庫とは、危険物倉庫、冷凍・冷蔵倉庫、自動倉庫のように、保管物や入出荷の環境などに合わせて特殊な機能性を持った倉庫のことを指しており、インターネット上で多種多様な商品が取り引きされるようになった現在では、非常に重要な施設とみなされるようになっています。通常の暮らしの中ではあまり接点がない分野ではありますが、人々の暮らしの根底を支える重要な要素となっていますので、この記事でさまざまな特殊倉庫の特徴をご紹介します。
自動倉庫とは?
まずは『自動倉庫』と呼ばれる特殊倉庫です。自動倉庫は、主に省人化や業務効率の向上、省スペース化などを目的として、業務の一部または全部を自動化した倉庫のことを指しています。
自動倉庫は、製品の受け入れから保管、出荷までの一連の流れをコンピューターによって一元管理する仕組みになっており、人手不足が深刻化していると言われている倉庫業界の省力化・省人化を実現する画期的なシステムと言われています。倉庫作業の自動化が進めば、間違った商品をピッキングしてしまう…と言ったヒューマンエラーの削減も期待できます。
自動倉庫のメリット
自動倉庫は、導入に多額のコストがかかってしまう…という点が大きなデメリットとされていますが、以下のような多くのメリットが得られる技術として注目されています。
- 倉庫作業員の負担軽減
倉庫の中には、冷凍食品を保管する冷蔵倉庫、危険物を保管する危険物倉庫など、労働環境が悪い場所もあります。自動倉庫であれば、こういった作業員の負担が大きな場所で省人化を実現することができます。 - 人的ミスの削減
ピッキング時の商品の取り違えなどの人為的ミスによるトラブルの削減が期待できます。 - 作業の効率化
ロボットは、人間のように疲労などによるミスの心配がありません。長時間稼働したとしても、全く同じ作業効率を保つことが可能です。 - 保管効率の向上
自動倉庫の中には、通路スペースを必要としないタイプもあり、倉庫スペースを最大限活用することが可能です。 - コスト削減
人の手が必要になる作業が少なくなりますので、倉庫の運営コスト削減が期待できます。
参考:Fact ism「自動倉庫導入においておさえておきたいポイント」
冷蔵倉庫とは?
次は『冷蔵倉庫』です。冷蔵倉庫は、水産物や畜産物、農産品、低温・冷凍食品などの食品を中心に、各製品の特性に合わせて「+10℃以下の低温で保管する施設」のことを指しています。なお、冷蔵倉庫の中でも「より低温の倉庫」については、『冷凍倉庫』と呼ばれる場合も多いです。
日常生活の中で、冷凍食品を口にする機会が増えている現在では、食品の品質を保ちながら長期保存が可能な冷凍・冷蔵倉庫が非常に重要な役割を担うようになっています。さらに、新型コロナウイルスワクチンでも話題になりましたが、医薬品は低温で保管しなければならないものも多く、医薬品の保管を担う場所として温度管理倉庫の需要が急速に拡大しています。どの家庭にも、冷蔵庫が備え付けられている時代になっており、今や冷蔵庫が無い生活など考えられないですよね。冷蔵倉庫は、その冷蔵庫の役割をもっと拡大した感じのもので、国民全体の食や健康を守るための重要な施設になっていると言えます。
冷蔵倉庫の区分
上述したように、「+10℃以下の低温で保管する施設」に関しては全て冷蔵倉庫と言う分類になります。ただし、冷蔵倉庫の中でも保管温度帯によって以下のように区分されています。
区分 | 保管温度帯 |
---|---|
C3級 | +10℃以下~-2℃未満 |
C2級 | -2℃以下~-10℃未満 |
C1級 | -10℃以下~-20℃未満 |
F1級 | -20℃以下~-30℃未満 |
F2級 | -30℃以下~-40℃未満 |
F3級 | -40℃以下~-50℃未満 |
F4級 | -50℃以下 |
冷蔵倉庫は、「10℃以下から-20℃未満」の倉庫を『C級(チルド)』、「−20℃以下」のものを『F級(フローズン)』と分類されています。そして、分かりやすいように倉庫内の温度が「-20℃以下」となる倉庫は『冷凍倉庫』と呼ばれる場合があります。
参考:Fact ism「冷蔵倉庫の基礎知識。冷蔵保管と冷凍保管の区分をおさえておこう」
関連記事:GDPとは?GDP対応により倉庫に求められるものとは
危険物倉庫とは?
最後は『危険物倉庫』です。危険物倉庫は、その名称から分かるように、『危険物』と定められている物品を保管するための施設となります。なお、消防法に定められている危険物を保管する施設を『屋内貯蔵所』といいますが、通称危険物倉庫といわれています。
危険物と聞くと、劇物や毒物など、人体に何らかの危険があるものとイメージする方が多いのですが、ここでいう危険物とは、消防法によってその取扱い方や保管方法などが定められている物質の総称で、「通常の状態で保管・放置しておくと、引火性・発火性があり、火災や爆発、中毒などの災害につながる危険がある物質」を指しています。ちなみに、日常生活には関係ない…と思うかもしれませんが、ガソリンなど非常に身近な物質も危険物に含まれます。
危険物倉庫の詳細については、以前別の記事にまとめてご紹介していますので、そちらをご参照ください。
関連記事:危険物倉庫とは?建設する際の基準と押さえておくべき法令をご紹介
まとめ
今回は、年々その需要が高まっている特殊倉庫について解説してきました。EC市場の拡大に伴い、保管需要が年々高まっており、コロナ禍に関わらず、倉庫の着工棟数は2020年も増加を続けています。特に、リソウコのターゲットとなる危険物倉庫や冷蔵・冷凍などの温度管理倉庫の需要が非常に高まっており、弊社への相談数も飛躍的に増加しています。
例えば、直近3ヵ年における危険物倉庫に関する相談は「4件⇒9件⇒23件」と、この3年間で右肩上がりに増加しています。温度管理倉庫に関しても、コロナ問題以降、加速度的な増加を見せているのですが、これは食品に加えて、医薬品などの保管需要が高まっていることが要因だと考えられます。
なお、危険物倉庫や温度管理倉庫は、ハード的な制限や法規制を受ける施設ですので、まずは弊社のような特殊倉庫専門集団にご相談ください。
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