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低温倉庫(定温倉庫)とは?『常温・低温・冷蔵・冷凍』倉庫の保管温度帯についてご説明

低温倉庫(定温倉庫)とは?『常温・低温・冷蔵・冷凍』倉庫の保管温度帯についてご説明

投稿日:2019.10.20 
更新日:2024.04.26 
お役立ち情報

皆さんが倉庫を借りる場合や建設する際には、どのようなことを重視するでしょうか?

もちろん、倉庫の立地や建設にかかるコスト面が非常に重要なポイントとなるのでしょうが、倉庫選びの際には取り扱う商品によって適切な種類の倉庫を選ぶことが非常に重要になるのです。特に、保管する荷物の性質によって、その荷物の状態や質を適切に保つことを考えるのであれば、温度による倉庫の区分は頭に入れておかなければいけません。
そこで本稿では、倉庫の保管温度帯による区分をご紹介します。

一般的な倉庫について

一般の方が、倉庫と聞けば、「自宅の空きスペースなどで、不要なものを保管しておく場所」などとイメージする方が多く、荷物を保管しておく場所は全て同じ倉庫だと考えるかもしれません。しかし、倉庫というものは、事業用と自家用の倉庫に分類されており、以下のような2種類の定義があるのです。

  • 自家用倉庫
    倉庫の所有者・使用者が、自らの貨物を保管する施設
  • 営業倉庫
    倉庫業法に基づき国土交通大臣の登録を受けた倉庫で、外部から委託を受けて商品の保管や入出荷を行う施設

一般的に、企業が何らかの荷物を保管しようと考え、倉庫を借りる場合には『営業倉庫』を借りることとなるのですが、その営業倉庫にも保管する荷物の違いによりさまざまな種類があるのです。今回は、その中でも普通倉庫や冷蔵倉庫と呼ばれる倉庫について、倉庫の保管温度帯をご紹介します。
その他の倉庫に関しては、弊社が運営するWebサイト「Factism (ファクトイズム)」内でまとめていますので、そちらもご参照ください。

参考記事①:物流担当者が最低限おさえておきたい『倉庫業法』のポイントをご紹介
参考記事②:倉庫業法に定められる8種類の倉庫をご紹介

倉庫の保管温度帯について

冒頭でもご紹介しましたが、倉庫選びの際には、立地や倉庫にかかるコストを考えるのはもちろんですが、保管する荷物の性質に適合した温度帯を認識する必要があります。保管する荷物によっては、常温で保管できる物、冷凍状態でなければ質を保てない物など、さまざまな荷物があることから、倉庫の保管温度帯を考慮しなければいけないのです。
保管温度帯の異なる倉庫は、大きく分けて以下の4種類がありますので、それぞれの特徴を詳しくご紹介します。

  • 常温倉庫
  • 低温倉庫(定温倉庫)
  • 冷蔵倉庫
  • 冷凍倉庫

常温倉庫の特徴

常温倉庫とは、最も一般的な倉庫で、倉庫内の温度は特に調整されないタイプとなります。倉庫内温度の調整が特にない代わりに、比較的安価に荷物を預けられる、多彩な大きさの倉庫があるなどの特徴があります。常温倉庫では、「原料、指定可燃物、化学品、塩、家具、建築ボード、ダンボール」など、常温保管が可能な多岐にわたる製品を保管できます。

常温倉庫の保管温度帯について

常温倉庫は、倉庫内の温度調整が基本行われません。そのため、倉庫内温度は外気温と比例し、夏は高く、冬は低くなりやすいなど、季節によって異なります。保管温度によって状態が変化しない製品の保管に適しています。
日本工業規格(JIS)が定義している常温倉庫の温度は15℃~25℃となっておりますが、各倉庫の立地条件やメーカー、そして取り扱う商品によっても基準が異なるので確認が必要です。

低温倉庫(定温倉庫)の特徴

低温倉庫は、温度が一定に保たれる倉庫のことを指しています。ただし、以下で紹介する冷蔵倉庫も、常に10℃以下の温度に保たれる倉庫ですので、違いが分かりにくいかもしれません。一般的に、10℃以下で荷物を保管する倉庫は冷蔵倉庫や冷凍倉庫に区分されるため、それ以外の一定の保管温度を保つ倉庫が低温倉庫に区分されると考えておきましょう。

低温倉庫(定温倉庫)の保管温度帯について

一般的に高すぎず、低すぎない温度である10~20℃の間に調整されている倉庫が多いです。倉庫業法施行規則では、10度以下に保管される冷蔵倉庫を除いた倉庫が、低温(定温)倉庫と呼ばれています。
野菜、種子・花苗、ワイン・日本酒、医薬品などの保管に適しています。

冷蔵倉庫の特徴

冷蔵倉庫は、水産物、畜産物、農産品、冷凍食品などの食品を中心に、その他貨物を含め、貨物の特性に合わせて10℃以下の温度で保管する倉庫のことを指しています。倉庫の分類上、10℃以下で保管する倉庫は全て冷蔵倉庫と呼称するのですが、わかりやすくするため、冷蔵倉庫と冷凍倉庫を分けて呼ぶ場合もあります。
冷蔵倉庫は、常に10℃以下の温度が保たれているのですが、いくつかの温度による分類があります。したがって、保管する荷物の性質により適切な温度帯の冷蔵倉庫を選ぶ必要があります。

RiSOKOでは、保管物の種類ごとに正しい保管温度や倉庫の設計などの冷蔵倉庫に関するご提案が可能です。
お困りの際は是非お問い合わせください。

冷蔵倉庫建設に関するお問い合わせはこちら

冷蔵倉庫の保管温度帯について

倉庫業法では、冷蔵倉庫の保管温度帯は以下のようになっています。

C3級 +10℃以下~-2℃未満
C2級 -2℃以下~-10℃未満
C1級 -10℃以下~-20℃未満
F1級 -20℃以下~-30℃未満
F2級 -30℃以下~-40℃未満
F3級 -40℃以下~-50℃未満
F4級 -50℃以下

生鮮食品や冷凍食品、医薬品、バイオ試薬などそれぞれの商品にあわせて最適な温度帯で保管を行います。

参考:冷蔵倉庫建設のために知っておきたいポイントをご紹介!
   倉庫業法施行規則等運用方針

冷凍倉庫の特徴

倉庫業法施行規則の定義では、冷蔵倉庫の中でも、特に低温の温度帯で保管する倉庫を冷凍倉庫と呼ぶ場合があります。上述したように、10度以下で保管する倉庫全ては冷蔵倉庫に分類されるのですが、より分かりやすくするため冷凍倉庫と呼ぶことがあるのです。

冷凍倉庫の保管温度帯について

冷蔵倉庫は、上の表のとおり保管温度によって分類されています。保管温度が10~-20℃未満の倉庫はC(チルド)級となり、-20℃以下の倉庫をF(フローズン)級と呼ぶのです。冷凍倉庫は、F級のものを指しています。

冷凍倉庫保管に適したもの

肉類、魚介類、アイスクリームなどの食品関係をはじめ、医薬品や化学製品なども冷凍倉庫で保管されるものがあります。

ワクチンなどの医薬品では、-80℃の環境での保管が必要な製品もあり、少しの温度変化で医薬品の効果が弱まるケースもあるため、温度管理にはより一層注意が必要になります。

低温倉庫(定温倉庫)に必要な設備

低温倉庫では倉庫内を適切な保管温度帯に保つために以下のような設備が必要になります。

1.冷却システム
2.断熱性の高い壁
3.密閉性の高い扉
4.温度制御システム

商品の種類や量によって、適切な設備の組み合わせが必要となります。適切な設備を用いて、低温倉庫を運用することで、商品の品質を保ち、効率的な物流を実現することができます。

まとめ

今回は、荷物を保管する倉庫の中でも、保管温度の違いによる倉庫の種類をご紹介しました。本稿でもご紹介したように、一口に倉庫といっても、さまざまな種類が存在しており、立地やコスト面だけでなく、保管する製品の性質をよく考えなければいけないのです。保管する製品は、それぞれ性質が異なりますので、保管に適した温度というものがあります。したがって、最適な温度帯で保管しなければ、製品の質に悪影響を与えてしまうことになりかねないのです。
倉庫建設や倉庫のレンタルを考えた場合には、しっかりと製品の性質を調べ、適切な温度帯で保管できる倉庫を選ぶことが重要です。

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